3月の肥育素牛相場、黒毛和種は3カ月連続で値下がり、枝相場安で買い気弱く

慢性的な供給不足を反映して肥育素牛価格は前年実績を上回って推移しているが、年明け以降、枝肉相場が軟調に転じたことを受けて、肥育農家の買い気が鈍化したとみられる。

農畜産業振興機構がまとめた3月の肉用子牛取引価格をみると、黒毛和種の全国平均価格(雄・雌)は82.3万円となった。昨対では6.0%高値にあるものの、前月から1.7万円値下がりし、3カ月連続で値を下げている。3月は例年、枝肉相場が鈍る傾向となるため、これが素牛相場も影響したとみられる。また、開市数が多く上場頭数が3万頭弱に増えたこと、さらに年初以降、枝肉相場が軟調に推移していることから、肥育農家の買いも慎重になっているとみられる。4月の素牛は来年末の需要期に出荷時期を迎えるため買い気が強まるとみられるが、4月の主要家畜市場の取引状況をみると前市よりも下げているところも多く、4月20日現在の速報値で黒毛和種の全国平均は82万円で推移しており、今後の取引動向が注目される。

このほか、褐毛和種も取引頭数は前月比12.7%増、前年同月比でも32.5%増と多く、価格は前月から7.7万円値下がりしたものの、昨対では9.9%高値を付けている。交雑種とホルスタイン種も枝相場の下落が影響したとみられ、取引頭数こそ前月から増えているが、取引価格もそれぞれ1.2万円・1万円値下がりしている。