日本ハム3月期、売上高1兆2,022億円で2.2%減、食肉は6,738億円・4.5%減

日本ハムが9日に発表した2017年3月期連結業績は、売上高が前年同期比2.2%減の1兆2,022億9,300万円、営業利益は同9.3%増の5,380億200万円の増益となり、結果、当期純利益は税引前、株主帰属それぞれ同39.1%増(4,911万200万円)、同60.7%(3,500億400万円)を計上している。ハム・ソーセージ部門におけるPB商品の数量減少や食肉相場が軟調に推移したことなどによって売上高こそやや減収となったものの、加工食品部門の増収や販売数量増に伴う粗利益の増加、コスト削減効果で営業利益は5千億台に乗った。

加工事業本部の売上高は前年同期比3.0%増の3,482億5,300万円、営業利益は103.0%増の79億1,100万円に上った。ハム・ソーセージ部門の売上げは、コンシューマ商品の「シャウエッセン」が好調に推移し、新商品の「豊潤あらびきウインナー」なども上乗せされ、NB商品は前年を上回った半面、PB商品の数量減少などから全体としては前年並みとなった。業務用商品は大手外食で定番商品が導入されるなど好調に推移。歳暮商戦も10 周年を迎えた「美ノ国」を中心に販促を実施したことで、ギフトの販売個数は前年を大幅に上回った。加工食品部門の売上げは、コンシューマ商品の新商品「極み焼ハンバーグ」の投入と、プリフライ群の「チキチキボーン」「チキンナゲット」、飲茶群の「天津閣」の販促に取り組み、「シャウエッセンスープ」などの新カテゴリーにも挑戦。業務用商品も、CVsチャネルなどで大型商品が導入されるなど好調に推移した。結果、同部門全体の売上高は前年プラスとなり、加工事業本部全体でも増収に。利益面も数量増による粗利益増加や原燃料価格が安定した効果で増益となった。

食肉事業本部の売上高は前年同期比1.6%減の7,415億6,500万円で、営業利益は12.6%増の438億9,800万円だった。主力ブランド食肉では、北海道日本ハムファイターズ主催試合で実施した「桜姫・麦小町ナイター」や、「桜姫」のTVCM、ラジオ番組を通じての宣伝など、多面的なコミュニケーションに注力。生産が順調にある国産鶏肉と、供給量・価格面で安定した米国産牛肉を中心に積極的な販売活動も行い、販売数量は伸長した。またフード会社でも、顧客とのタイアップ企画に積極的に取り組むなどして販売数量が伸長した。ただ、前年に比べて食肉相場が軟調に転じたことなどから、売上高は前年を下回る結果となった。利益面では、国内ファーム事業が食肉相場の安値推移や年末の鳥インフルエンザなど厳しい外部環境にあったものの、生産量の拡大やコスト改善に努めたことで、通期では増益となっている。販売部門でも、量販店・外食・CVsなど幅広いチャネルの取引先に向けて積極的な販売や提案活動を行い、販売数量の増加やコスト削減などの効果によって増益を果たした。