6月の鶏肉需給展望 気温上昇で需要はホワイトミートへ、モモ下落、ムネ上昇

鶏肉の5月の相場は、モモでは前月から下落したものの、例年以上の水準を維持しており、ムネではじわじわと上昇を続け、年間を通じて高騰していた2015年とほぼ同水準まで上げている。5月中の動きとしては、徐々に暖かい気候になってきたことから、モモ、手羽元の需要は緩んだものの、その他の部位が不足すればその代替としていずれの部位も販売される状況だったため、とくに大きく余る部位はなかった。また、モモの需要が減少しつつあることで、年末に向けての凍結を始めたい意向はあるものの、相場が下がらないため、年末との価格差が読み難く、現状はモモを凍結に回すにはまだ高値の水準のようだ。

6月は梅雨を控え気温も上昇するなか、生産など供給面は比較的好調な一方、需要は弱まり、モモの相場は高値を維持しながら例年通り下落傾向になると見られる。3~4月に高騰したブラジル・モモも、4月の輸入量も多く通常の状況に落ち着いてきた。

これに対してムネは加工向け、テーブルミート向けとも現状で引合いは強く、さらにホワイトミートの需要期に入るため、堅調な引合いが続くと見られる。ただ、相場がこれ以上高騰すると、加工仕向けの輸入品での代替の動きや、特売が打ち難くなり、需要が減ることも警戒される。このため、ムネ相場は堅調にありながらもわずかな上げとなるか。

副産物では、気温の上昇に伴い、手羽元から手羽先へ徐々に需要が移り始めている。また、夏のやきとり需要としての砂肝や、ササミへの引合いは、6月の気温の上昇次第となりそうだ。