「乳用種初生牛経営に関する調査報告書」、乳雄子牛販売価格は北海道と県で差

農畜産業振興機構はこのほど、16年度乳用種初生牛の経営に関する調査報告書を公表した。同調査は中央畜産会が実施し、北海道、岩手、宮城、茨城、千葉、長野、兵庫、熊本の8県の合計200戸の酪農経営を対象に15年度の経営状況を調査し、肉用子牛生産者補給金制度の円滑な運用に必要な資料の整備を目的としている。

調査対象経営1戸当たりの経産牛年間平均飼養頭数は62.8頭で、北海道は74.7頭、7県は52.0頭だった。年間分娩頭数は、1戸当たりの平均分娩頭数は56.2頭で、北海道67.8頭、7県45.8頭と北海道は7県に比べ22.0頭分娩頭数が多い。

乳用種子牛の販売について、2月未満の乳用種雄子牛を見ると、市場で販売された1戸当たりの平均販売頭数は全体で15.1頭、北海道19.8頭、7県12.5頭となっている。全体の1頭当たり平均販売日齢は27.4日齢、1頭当たり平均販売価格は8万9,631円となった。北海道は11.6日齢、8万5,886円、7県は37.7日齢、9万2,004円となり、7県は北海道より25.8日長く飼養しているにもかかわらず、価格差は北海道より6,118円高いだけで長期の飼養が販売価格に結びついていないという。相対取引の場合は、全体で1頭当たり181.4日齢、1頭当たり販売価格7万238円となり、北海道は12.0日齢、7万9,173円、7県は22.0日齢、5万4,281円となっている。

乳用種初生牛1頭当たりの生産費は、1万1,877円となった。主な内訳は労働費55.9%、資料費20.9%、獣医師料及び医薬品費860円、生産管理費6.5%となっている。北海道では生産費は1万300円、7県は生産費1万3,355円となり北海道に比べ1,735円高い。労働費、生産管理費、敷料費などが北海道より高く、労働費については、労働費単価が高いことなどが影響している。