5月は黒毛80万円、前月比で1.9万円安と大きく下げる-機構・素牛価格 、曽於で5.4万円安83万円、十勝で4.2万円安79万円と主要市場で下げ幅拡大

7年5月の肉用素牛価格は、黒毛和種で前月比1.9万円安の80.3万円と、16年12月を天井に5カ月連続で前月を下回った。今回は、鹿児島曽於中央市場で5.4万円安、ホクレン十勝市場で4.2万円安と、主要市場で下げ幅が大きくなった。5月は不需要期で枝肉相場が下がる中で、素牛相場も下げた。また、素牛需要は底堅いものの、頭数の集まる主要市場では余裕を持って買うことができるため下げ幅が大きくなったと見られる。今後の動向では、トレンドとしては僅かに下げるものの、極端な下げは考えづらく、引き続き高値水準で推移すると見られる。

農畜産業振興機構がまとめた2017年5月の家畜市場の肉用子牛の取引価格(速報値)によると、黒毛和種は前年比で1.7%高の80.3万円、褐毛は6.3%高の71.0万円、交雑種は1.1%高の40.1万円、ホルスは2.0%安の21.4万円となった。前年比では、ホルス以外は前年を上回るものの、それぞれ1割以上高値だった年初に比べ、上昇幅は縮小した。また、前月比では、黒毛で1万9,344円安、褐毛で2万6,408円安、交雑は1万7,674円安、ホルスで7,239円高となった。黒毛和種は一挙に2万円近く下げ、前月反発した褐毛も大きく下げた。

和牛の5月の枝肉相場は、連休明けの消費疲れで売れ行きは鈍く、和牛去勢は各等級で下げた。特にボリュームの大きいA4で前月比101円安、A3で73円安、交雑B2も128円安と量販店での売れ筋が大きく低下し、末端での販売が縮小したことがうかがえる。このため、肉用子牛相場も、需要はあるものの、枝肉相場を反映して高値を嫌ったと見られる。特に頭数の集まる主要市場での下げ幅拡大が目立つ。

主要市場に話を聞くと、4月の83.0万円から5月は78.8万円と4.2万円下げたホクレン十勝市場は、「素牛の需要はあるが、5月は大きく下げ6月も現状では弱い。購入者は変わらず、需要はあるのだが、枝肉相場を反映して、いくら高くてもよいという状況ではない。また5~6月は比較的頭数も多く、余裕を持って買えることも要因ではないか。これらが複合して下げたと見られる。ただ、一貫して右肩下がりに下げるとは言えず、引き続き高水準を維持するのではないか」と見ている。

褐毛和種は4月に3.0万円高の73.6万円に上昇したが、5月は2.6万円安の71.0万円と反落した。頭数が少ないため乱高下が続くが、16年12月の84.1万円をピークにトレンドとしては下げ傾向が続く。