日EU・EPAの議論報告、政府は今週に今後の段取りをEUと議論-自民対策本部

自民党は16日、日EU等経済協定対策本部を開き、分野ごとに検討を進めている各グループと、政府から交渉の進展状況について報告を受けた。政府は今週にEU側の主席交渉官レベルと今後の段取りを議論する予定だ。農林水産分野の第4グループでは、豚肉、鶏肉、鶏卵、乳製品の輸出が可能となるよう要望があったほか、現場の不安としてTPP関連対策による体質強化が緒に就いたばかりであり、必要な国境措置が守られなければ体質強化する前に廃業が懸念されるとの意見があったことが報告された。

政府の説明では、日EU首脳会談のコミットメントを踏まえ、できる限り早期の大枠合意を目指して交渉中であり、現在は訪日中のペトリチオーネ欧州委員会貿易総局次長らEU側との間でこれまでの議論の整理や、今後の段取り等について議論するため随時打ち合わせを実施中としている。今週には、首席交渉官レベルで断続的に交渉を行う予定で、具体的議題を調整中と報告した。

また、これまでの4年間の交渉の中で、税関・貿易円滑化、衛生植物検疫(sPs)措置、知的財産(地理的表示除く)、競争(反トラスト)、中小企業、紛争解決などの課題については、すり合わせが進んでおり、合意に近づいているという。物品市場アクセスなどの双方の利益のぶつかる分野は隔たりが大きい。

議論では、野村哲郎参院議員が政府へ「日本とEUでは、日本からの輸出には7割に関税、日本の輸入については3割に関税と不平等な扱いになっている。これを解消するために豚肉や乳製品など農産物でカバーするのはもってのほかだ。そのつけを農業に回してはならない。肝に銘じて頑張ってほしい」と要望した。