7月の豚肉需給展望 末端不振も出荷数少なく税抜560~570円の相場展開か

6月の東京市場の豚枝肉相場は当初予想を上回る596円(上物、税抜き)を付けた。末端消費は決して良くはないものの、1日当たりのと畜頭数が6万頭台を下回る日もあり、出荷・上場頭数の少なさが豚価を下支えした。このため、枝相場も前年に見られた乱高下もなく、概ね600円前後での高値安定で推移した。ただ、梅雨入りに伴って末端消費も伸び悩んでおり、枝肉高・部分肉安の展開となっている。7月は、月前半が梅雨、後半が学校給食需要が中断するため、需要面では相場の上げ材料は乏しいといえるが、引続き出荷が少な目の予想にあることから、前年ほどの大きな下げはなく、枝肉相場は税抜で560~570円の水準を維持すると予測する。

[供給見通し]農水省の肉豚出荷予測(6月26日発表)によると、7月の出荷頭数は前年比1%減の123.8万頭と、6月の130.4万頭(速報値)から6.6万頭減少する見通し。稼働日(20日)1日当たりの出荷頭数は6万1,900頭と前年より600頭下回るが、それでも前月から2,600頭ほど増加する模様だ。ただ、農家によってはこの時期の蒸し暑さで豚の増体不良なども散見されており、天候次第では出荷頭数が予想より少なめとなり、とくに月前半は日によって6万頭を割り、その分、後半に入って増加する可能性もある。これが月前半の枝肉相場の下支えの要因となりそうだ。農畜産業振興機構の需給予測によると、チルド豚肉の輸入量は6月が3万1千t(前年同月比0.1%増)、7月が2万9,500t(同6.4%増)となっている。この時期の豚価高を受けて、量販店の販促も利益の取りやすい輸入チルドにシフトしており、引続き3万t前後の輸入が続く見通しだ。