牛マルキン5月、交雑種・乳用種で概算払い発動、豚は発動なし

農畜産業振興機構は11日、17年5月の肉用牛肥育経営安定特別対策事業(牛マルキン)の補てん金単価(概算払い)で交雑種と乳用種でそれぞれ4万4,800円、3万6,500円の概算払いが発動することを発表した。肉専用種は全国ベースの発動はないものの、地域算定10県のうち岩手県の日本短角種で7,800円の概算払いを予定している。

5月の肉専用種の枝肉価格(㎏当たり、消費税抜き)は2,384円(前年同月比7.0%安)、交雑種は1,340円(同14.8%安)、乳用種は982円(同5.3%安)で1千円台を下回るなど、いずれも前年価格を下回った。これに対してコスト面、とくにもと畜費は肉専用種が66万2,109円(前年同月比21.9%高)、交雑種35万5,762円(同18.8%高)、乳用種20万944円(同38.5%高)と前年に対して2ケタ台の値上がりとなっている。結果、粗収益と生産コストの差額は、肉専用種で9万2,639円(同66.9%安)、交雑種がマイナス6万1,096円(前年はプラス6万7,105円)、乳用種はマイナス

5万637円(同プラス1万1,786円)となり、肥育経営の採算性の悪化が伺える。地域算定県で発動となった岩手県の日本短角種は、枝肉価格が1,814円(前年同月比11.2%高)で、粗収益は86万3,796円(9.3%高)に上ったが、もと畜費が45万6,498円(同28.2%高)となるなど生産コストは87万8,637円(11.0%高)となり、収益との差額はマイナス1万4,841円(前年同月はマイナス871円)となっている。なお、同機構では4月分の交雑種と乳用種の補てん金単価についてそれぞれ7,200円、5万1,700円に修正した。誤ったデータによる生産コスト(配合飼料)を算定したため。

養豚経営安定対策事業(豚マルキン)の17年度第1四半期の養豚補てん金は、平均粗収益(4万14円)が平均生産コスト(3万2,846円)を上回ったため交付しないと発表した。