【ニッポンハムグループ CsRの取組み】 社会の課題解決に向け、対話を進めてCsRの浸透を図る-田中CsR推進部部長

ニッポンハムグループは持続可能な社会の実現に向けて、安全・安心な商品の提供、食物アレルギー対応商品の開発など様々なCsR(企業の社会的責任)の取組みを行っている。同社では2016年1月に5つの重要課題「安全・安心な食品づくり」「食とスポーツで心と体の元気を応援」「従業員が生き生きと活躍できる職場」「将来世代の食の確保」「地球環境の保全」を特定(=図)。各課題の代表的な取組みとして、「安全・安心な食品づくり」では食物アレルギーの取組みなどに、「食とスポーツで心と体の元気を応援」では食育活動、スポーツの振興の推進などを行っている。また、「従業員が生き生きと活躍できる職場」では従業員の能力開発や心と体の健康維持に、「将来世代の食の確保」では食品原材料の持続可能性への対応、「地球環境の保全」では温室効果ガスの排出削減、再資源化の推進などに取り組んでいる。現在の同社グループのCsRの取組みについて、田中恵津子コーポレート本部CsR推進部部長に話を聞いた。

–5つの重要課題を特定した経緯について

企業理念に「わが社は、『食べる喜び』を基本のテーマとし、時代を画する文化を創造し、社会に貢献する。」「わが社は、従業員が真の幸せと生き甲斐を求める場として存在する。」を掲げている。その理念の実現に向けて戦略的に取組みを進めていくために、世界の人口増加や気候の変動などの社会的課題を加味し、まずは、一般的な課題や食肉業界特有の課題など147項目を挙げた。その後、約半年の期間をかけて社内外の様々な方の意見を聞いて30項目にまで絞り込み、さらに奥様重役会(※)や有識者などでアンケートやインタビューを行い、5つの重要課題を特定した。

–現在、注力していることは

CsRの取組みを、意味や具体的な内容も含めて社内に浸透させていくことに注力している。CsRは企業の社会的責任を意味するが、社会貢献活動というように認識されていることがある。たとえば、「地域での貢献=CsR」だと言う人もいる。もちろん、地域に対する貢献も大切だが、企業理念やコンプライアンスを基盤として社会課題の解決に取り組むことや、グループの強みを生かして事業に結びつけていくことが重要である。また、実際に行っている行動や取組みがCsRの取組みだと理解されていないこともあるので、浸透させていくためには、地道に対話していくことが必要だと考えている。