8月のブラジル産鶏肉船積み5.1万t、9月積出しによってQ4交渉に影響も

ブラジル商工省貿易局によると、8月のブラジルからの日本向け鶏肉輸出量は約5.1万t(前年同月比69.4%増)に上り、前月から1.6万tも急増した。この間の現地価格や国内在庫などマーケット状況を考えると、一月で1.6万tも積み増せることは考え難く、関係筋ではこの間の遅れ分がまとまってカウントされたと見る向きが多い。ただ、一時的な増加とはいえ、平準化してもややオーバー・サプライといえ、今後の国内出回り、末端消費の動向によっては再び在庫過多への懸念が強まることも。9月の船積み状況によっては第4四半期の交渉にも影響するため、業界関係者は近々に公表されるであろう9月直近の輸出状況を注視する考えだ。

今年1~7月累計のブラジル産鶏肉の日本向け輸出量は23.9万tで前年同期比1.0%増とほぼ前年並みの水準となっている。とくに現地の不正問題が起きた後の4~7月の船積みは13.8万t・同5.5%増と前年実績を上回っている。4月以降、1カ月平均は3.5万t弱(前年は3.3万t)で推移してきたなかで、8月は一気に5.1万まで膨らんだ。

このインパクトのある数字に関して関係筋は、「この間、現地生産は若干タイトな部分もあり、第2四半期から第3四半期に現地価格は1t当たり50~100ドル値上がりしたものの、それでも国内の吸い込み(需要)も決して悪くはなく、現地パッカーと商社間の交渉も比較的順調に推移してきた。だが、少なくとも需給関係を見る限りは、一気に5.1万tも出る要因は考えられない」と指摘する。別の輸入関係者は「現地のコンテナの確保が難しく、ディレイが続いていた。7月下旬にブラジル当局でストライキがあったものの、8月前半には解消されている。ディレイした部分がカウントされたと思うが、8月後半の船積みをみても5万tは多過ぎ」「(現地不正問題の影響で)シップバックした代替えの商品が船積みされたが、それでも5万tには届くことはない。中小パッカーがどの程度出したかにもよるが……」などといったコメントが寄せられている。確証はないものの、どうやら現時点では現地船積みの遅れ分が8月にまとまって船積みされた影響といえそうだ。それでも、4~8月の船積みを1カ月単位で平準化しても3.8万t(前年は3.2万t)といささか供給過多の状況となっている。一方、現地では近々にも9月上旬の船積み量が公表される方向で、各社の船積みの概要も明らかになってくる方向だ。業界では第4四半期の交渉に入ってゆくが、「仮に9月の船積みも8月並みに多いようだったら、今後年末にかけての国内需給に大きな影響が出てくる。在庫増を懸念して買い気が弱まるため、逆に、ブラジル側との交渉も強気にならざるを得ない」(商社筋)状況で、今後の現地の追加情報によって交渉にも左右されることになるといえる。