ハムソー9社中間期、売上高6.5%増の1兆7,328億円、食肉と加工食品けん引

〈部門別ではハムソー売上2.1%増、加工食品は6.9%増、食肉は7.0%増に〉

ハムソー・食肉関連各社の2018年3月期第2四半期(中間)連結決算が出揃った。今中間期は、人件費や物流費の上昇、販売競争の激化と厳しい環境の中だが、国産の鶏肉・豚肉、輸入牛肉の販売が好調で食肉部門で増収増益、ハムソー・加工食品部門の売上も増加するなど各社とも好調だった。ただ、ハムソーや加工食品の製造では、人件費・物流費の増加から利益面で苦戦する企業も多かった。

対象9社の売上高は1兆7,328億円(1,000万円以下切り捨て、以下同じ)で前年同期比6.5%増加した。前中間期は2社増収・7社減収だったが、今中間期は7社増収・2社減収となった。9社の営業利益は5.9%増の553億円、経常利益では2.7%増の549億円となった。経常利益では6社が増益、減益は3社だった。9社を合わせた営業利益率は3.19%で前年同期の3.21%をわずかに下回った。前述のように、人件費・物流費の上昇などが影響したと見られる。

部門別には、ハムソー売上(公表している6社対象)は2,543億円で2.1%増加した。前中間期はWHO問題の影響が残ったことで0.9%減少したが、今期は新商品や各社主力のウインナーが好調で増加したと見られる。加工食品売上(6社対象)は3,274億円で6.9%増加した。前年同期は4.7%増であり、拡大傾向が続く。今期は、プリマハム、スターゼン、滝沢ハムで二桁増加したが、サラダチキン、ハンバーグ、ローストビーフ・ポークなどが好調だった。

食肉売上(7社対象)は8,775億円で7.0%増加した。前期は5.9%の減収だったが、今期は7社中6社が増収。国産豚肉、国産鶏肉で相場が上昇、売上も拡大した。輸入牛肉は輸入量が増加する中でも、国産牛肉の高値の影響から販売が好調だった。また輸入豚肉、輸入鶏肉も販売が拡大した。利益面でも輸入牛肉の収益性が改善し増益基調となった。

下期について日本ハムの末澤社長は「加工事業ではデリ商品、ハムソーの数量拡大に注力し、労務費の高騰に対してはコスト削減に取り組む。食肉事業ではインテグレーションを強化していく。厳しい環境下にあるが、通期予想の営業利益560億円を最低限と考えグループが一枚岩となって取り組む」と利益確保に注力する、伊藤ハム米久HDの宮下社長は、「伊藤ハムの商品の特徴として、(グランドアルトなど)『熟成』は共通するキーワードであり、美味しさの秘訣であると思っている。“熟成の日”が制定されたこともあり、これを核に販売を強化していく」とするとともに、中計で強化分野としている調理加工品の拡大を図る。プリマハムの松井社長は、「昨年まで数十億円の増収だったが、今期は160億円の増収となった。ハムソー、加工食品、食肉とも増収であり、利益面では食肉が前期のマイナスから黒字に転換した。食肉は下期も黒字を予定し通期での黒字を見込む」とし、食肉の黒字化で利益拡大を見込む。

丸大食品の百済社長は、「上期は、生産量は増えたが、想定したよりも平均単価が下がった。(社内で)合理化対策のチームを作り、生産性を上げるように進めており、巻き返しに向けて生産部門のコストダウンを図っていく。また引き続き周辺事業の拡大に注力する」としている。

〈畜産日報2017年11月24日付より〉