【トップインタビュー】やまむらや 代表取締役 山村宙載氏 「近江牛Steak&Wine 山村牛兵衛」オープン

やまむらや・山村宙載代表取締役
〈京都市内に同社で初の外食業態〉
京都府や滋賀県で焼き肉やバーベキューに特化した食肉小売店を6店舗運営するやまむらや(本社:京都市右京区)は9月、阪急京都線・大宮駅から北へ徒歩3分の場所に初の外食店となる肉バル業態「近江牛Steak&Wine山村牛兵衛を開店した。外食業態の状況と、来年に創業40周年を迎える同社の取り組みと今後の展開について、山村宙載(ちゅうさい)代表取締役に話を聞いた。
「近江牛Steak&Wine山村牛兵衛」

「近江牛Steak&Wine山村牛兵衛」

山村代表は外食事業への進出について、「20~30年ほど前から取り組みたいと考えていたが、人手、資金、土地などの問題で断念していた。しかし、代が変わり、人手、資金などの問題をクリアできたことで出店することができた」と話す。オープン以来、「月商900万円」で推移しており、「今のところ成功しているのではないか」と自信を見せる。近江牛を前面に押し出している理由を、「食肉小売店ならではの専門性を出すため、関西の銘柄牛『近江牛』を前面に出してアピールしている」と明かす。また、内外装の特長として、「京都らしさや和のテイストを取り入れた店作りを行った」。現在は、ランチ・ディナーの営業を行っているが、「ディナーがランチの約5倍」と圧倒的に多く、客層は、「若い人から年配の方、家族連れと幅広い客層に利用してもらえている」という。

一押しメニューは「近江牛花咲(はなさき)しもふりステーキ」( 税込1,490円)で、近江牛の霜降り肉ステーキに花びらのような切り目を入れている。このほか、長さ30cmのステーキ(パティ)をハンズではさんだ「近江牛ステーキバーガー」(税込1,717円)、近江牛のステーキで近江牛のパティをはさんでバンズもパティも近江牛の「近江牛ビックニック」(税込2,138円)といったインパクトあるオリジナルハンバーガーも揃えている。

インパクトあるオリジナルハンバーガー

今後の出店について、「急いで店を出すつもりはないが、来年には2店舗目を長岡京市や八幡市などの郊外で出店することを視野に入れている」と計画を明かす。

<店舗概要>▽住所=京都府京都市中京区大宮通蛸薬師下ル四坊大宮町157▽営業時間=ランチ11~14時、ディナー17~24時▽席数=48席▽定休日=毎週火曜日。

 

〈BBQコンロの無料レンタル、特製タレやドライアイスを無料で提供〉

山村代表は創業の経緯について、「創業前は京友禅の工場を営んでいた。市場の縮小に伴い、異業種の食肉小売業に商売替えをした」と説明する。事業を継続できた理由について、「異業種から参入したことで業界の慣習にとらわれずに独自の発想ができた」ことを挙げる。同社ではバーベキューコンロ無料レンタル、特製タレやドライアイスの無料提供など独自のサービスを行っている。コンロの無料レンタルサービスは、「店頭でコンロを販売していたが、顧客から貸して欲しいとの要望が多く寄せられた。貸し出しを行ったところ、口コミで広がった」と話す。コンロを貸し出すことで、「新たなマーケットが広がった」という。また、11月22日のいい夫婦の日にちなんで11月18日から23日までの間、夫婦がレジ前でキスすると豪州産「牛やわらかステーキ」が半額になる「夫婦チュー割」などのイベントも実施。

今後は、「卸事業をやっていきたい」と新たな計画を話す。このほか「今年、小売店の延長で出張バーベキューを本格的に開始しており、今後の事業の柱にしていきたい。法人向けのサービス、個人向けにバーベキューやおかずを届けるサービスも計画している」と事業計画は尽きない。新規事業を展開するにあたって、「売上げや利益よりも社員の活躍できる場を提供したい」と語る姿が印象的だった。

〈畜産日報2017年11月28日付より〉