自民党の畜産・酪農対策委員会(委員長=赤澤亮正、衆・鳥取2区)は6日会合を開き、18年度畜産物価格決定・関連対策に向けた議論をスタートさせた。今後、現地視察(北海道・南九州地区)を踏まえたうえで11日から会合を重ね14日の決定を目指す。会の冒頭、野村哲郎農林部会長(参・鹿児島)は「和牛をはじめ枝肉価格が下がる半面、素牛価格はあまり下がらないなかで、牛マルキン(肉用牛肥育経営安定特別対策事業)の発動がすでに行われており、肥育農家は大変心配している。昨年まではどうにか牛・豚・鶏も畜産物価格は非常に良かった状況だったが、今年に入ってからどうも少し陰りが出てきている。新たな貿易交渉の結果もあるため、その意味で今回の委員会の検討は大変重要になってくる」とあいさつした。

会合では農水省から畜産をめぐる情勢の説明を受けたあと、質疑に入った。今回の畜産物価格全体の議論としては、ことし6月の改正畜安法に基づく新たな加工原料乳生産者補給金制度の単価・交付対象に焦点が当たるが、畜産関係ではマルキンなど経営安定対策のあり方が焦点となりそうだ。ことしは牛枝肉価格が低下傾向にあるなか、TPPや日EU・EPA協定発効に合わせて措置するとされる補てん率の引上げの前倒しを求める声も根強い。当日の議論でも南九州や関東選出議員から「(牛枝肉相場の値下がりで)現場はいよいよ待ったなしの状況になっている。TPP発効以前の課題であり、早急にやるべきで、しっかりと方向づけをお願いしたい」「TPPやEPAにかかわらず、現場の不安が強いため、ぜひお願いしたい」といった声が上がっている。また都府県では土地の確保や設備投資の問題で新規参入がし難い状況を受けて、ひな壇に座る野村部会長からも新規就農・参入対策など将来の畜産物増産に向けた仕組みづくりを農水省に求めた。

会合では農水省から、牛肉・豚肉・鶏肉の需給や配合飼料、畜産クラスターの状況が説明された。このうち肉用牛繁殖雌牛の動向では、肉専用種雌のうち繁殖に仕向けられる頭数の割合が13年度の25%を底に増加傾向で推移し、直近(17年上期)は36%まで増加していることが紹介された=下図参照。また交雑種の生産増加に伴って酪農経営で課題となっている乳用後継牛の確保については、乳用種の性判別精液・受精卵の活用を推進することで、分娩される乳用種子牛に占める雌牛の割合を高め、後継牛の確保を進めてゆく方向にあることが説明された。11日の部会では現地視察の報告と関係団体からの要請を受ける。

〈畜産日報2017年12月7日付より〉
今月14日の価格決定に向け議論開始、経営安定制度のあり方が焦点—自民党