7月の豚価は当初、輸入品との競合、猛暑による消費減退で上げ要因が少なく、本紙も東京市場では上物税抜き550円前後と予想していたが、今週に入り関東周辺市場の豚価が上昇に転じ、11日には東京市場で税抜き637円、関東3市場で同627円に急伸し、600円台前半の相場となった。12日も東京は626円(前市比12円安)、関東3市場は631円の強もちあいとなり、ここにきて豚価は夏場モードに入ってきた。大阪市場は10日に643円を付けたものの、12日は551円を付けるなど概ね500円台半ばで推移している。また、京都(569円・前市比27円高)、神戸(519円・30円安)、岡山(522円・11円安)、広島(568円・21円安)、福岡(545円・2円高)と、西日本の主な市場では概ね550円前後で推移している。

この相場高は、基本的には全国出荷頭数が1日当たり6万頭強と少ないなかで、「海の日」の3連休に向けた枝の手当てが入ったことが要因。だが、このタイミングで西日本の豪雨災害の影響で、西日本方面から関東のカット筋に対して供給の依頼が増えたことが、関東周辺市場の相場を押し上げた格好となった。とくに、今回の豪雨では、愛媛県の食肉センターJAえひめアイパックスが浸水被害を受けたほか、西日本の各地で道路が通行止めとなるなど、物流面でも大きな影響が出ている。こうした状況から、関東にある中間流通・カット筋には数百頭分のカットの依頼が入っており、西日本送りを優先した形でセットおよび単品での納品に尽力しているところだ。

このため、関東の豚部分肉(生鮮)の商いもタイト感が強まり、動きが鈍かったバラも引合いが強まって800~850円の唱えに上昇。ロースに至ってはこれまでの800円台後半から900円の唱えが、1,000円台に乗っている。カタロースも欠品状態となり、ウデ、モモのスソ物も600円を伺う展開となっている。

問題は連休明け後の展開だ。もともと7月は量販店の販促は輸入品にシフトしており、東北以外は梅雨明けして猛暑日が予想されるなか、売れるのは冷しゃぶ用のバラ、ロース、スペアリブくらいと、豚肉の需要は落ちる時期となる。夏休み入りで学校給食需要も止まるため、モモ、ウデの需要も低下する流れにある。このため、連休明け直後の補充買いが一巡した後、今の豚価水準でどこまで引っ張ることができるか、あるいはどのタイミングで反落するかは、不透明な状況となっている。さらに、被災地周辺など西日本の地域では出荷先・と畜先の確保の問題も懸念されており、各食肉センターで頭数を融通し合っても対応しきれない分は、市場に出さざるを得ない状況となる。今後、8月の盆休みまでは波乱要因を抱えた相場展開となりそうだ。

〈畜産日報 2018年7月13日付より〉