〈和去A5は2,800円前後、A3は2,150円前後と予想〉
7月の牛肉の販売状況は、連日の猛暑、西日本豪雨被害などで期待には届かなかった。このため東京食肉市場の相場は、和去A5で前月比33円高、A4で13円高、A3で21高と、不需要期の6月を10~30円上回るにとどまった。8月は7月末の迷走台風後にすぐに猛暑となり、末端の売れ行きは良くない。夏休み入りで、屋外でのBBQ需要が期待されていたが、この猛暑では屋外に出ること自体が危険と言われBBQどころではない。猛暑で食欲もなく食肉需要自体に影響が出ている。関係者からは、「天候のせいにはしたくないが、今年は業界がコントロールできる限界を超えている」との悲鳴が聞かれる状況。現状でも、出荷される牛の疲れ、ストレスが目立っており、9~10月にかけて出荷される牛では瑕疵など事故牛も懸念される。

例年、旧盆に向けた手当てが入るが、今年は静かであり、各社在庫を抱えていることがうかがわれる。6日以降にわずかに買いが入っても9日までと短期間で終わる可能性が高い。旧盆明け以降、買いが減ることを勘案すれば、和去の相場は下げ傾向が強く、7月相場を下回り今年の底になると見込まれる。

7月の東京食肉市場の規格別の価格(生体、消費税8%込み)をみると、和去A5が前月比33円高の2,834円、A4は13円高・2,421円、A3は21円高・2,166円、A2は84円高・1,948円、交雑B2は8円高・1,352円、乳去B2は14円高・1,113円となった。和去A2は頭数が少なく変動が大きいが、ボリュームゾーンのA5~A3は6月に対しても10~30円の小幅な上昇にとどまった。交雑もわずかに上昇、頭数不足のホルスB2は1,100円台に乗せた。前年比(グラフ参照)でみると、和去A5、A3はほぼ前年並み、交雑B2、乳去B2は前年を上回って推移している。今後月々で変動があるにしても、大きなトレンドとしては、和去A5、A3は前年並み、交雑は前年を150円前後、ホルスは50~100円上回って推移すると見られる。

農畜産業振興機構の予測によると、8月の成牛の出荷頭数は前年同月比比3.1%減(1日当たり2.3%減)の8万500頭と見込まれる。品種別の出荷頭数は、和牛は0.3%減の3万2,900頭、交雑種は1.0%減の1万8,700頭、乳用種は7.2%減の2万7,600頭が見込まれる。輸入牛肉(チルド)は、7月輸入量は5.5%増の2.3万t、8月は3.4%減の2.5万tを見込む。7月はと畜頭数の増加により豪州産が増加し前年を上回り、8月は米国産が減少するとされ全体でも前年を下回ると予測している。

足元の輸入チルドの状況をみると、豪州産は6月に在庫を持ち越したモモ・ウデなどスソ物系は、7月入荷もあまり減らなかったことで8月にも持越し荷余り感が続く。しかし、8月入荷はかなり絞られる見通しで、旧盆で消化が進めば、相場は締まってくると見込まれる。米国産は、7月中はショートプレートが緩んでおり、米中貿易問題で外貨が下がるとの見方もあり相場の目線が下がる。8月は前半に物量が入ってくるが、その後は絞られるため、旧盆需要がカギになる。

7月の首都圏の量販店では、猛暑や台風などマイナス要因が多く、売行きは良くなかった。特に西日本はハレのイメージのある牛肉の動きが鈍く、動くとしても輸入物の焼材が東日本の地方で動く程度だった。8月も状況は変わらず。全国的な猛暑で、例年なら夏休みに入ったことから屋外でのBBQが盛り上がるはずが、今年は外に出るのも危険な状況で、BBQ商材は動かない。昨年来、屋内で手ぶらでBBQができる施設が話題になっているが、今年はそれもキャンセルが入るなどもう一つ伸びない。

枝肉相場は、旧盆需要というより、11日からの休日分の手当てが入る。だが、例年なら8月上旬に上昇するものの、7月後半の不調が継続している。昨年は旧盆明けの相場低迷で8月が年間で最も低かったが、今年も同様に相場の底になると見込まれる。西日本は、豪雨被害からの復旧途上にあり、夏休みといっても牛肉消費が盛り上がるとは考え難い。例年、東から商品を送っていることを考えれば、その分、東京市場などでの買いが減ると見込まれる。実際に、西日本の百貨店での和牛ギフトは不振との話も聞く。旧盆中は、首都圏の量販店の販売は不振も、地方の需要は好調であり、今期も唯一、東北などでの需要が期待できる状況だ。

このため8月相場は、和去を中心に7月の相場を下回り、和牛去勢A5で2,800円前後、同A3は2,150円前後、交雑B2も1,350円前後と見られる。乳去B2は頭数不足で底堅いが、販売価格がほぼ決まっていることで1,100円前後とみられる。

〈畜産日報 2018年8月6日付より〉