〈月間平均で420~440円の展開か〉
10月の東京食肉市場の枝肉相場は、上物で427円(税込み461円)、中で399円(同431円)と、それぞれ9月から50円・60円ほど値下がりした。気温低下に伴う鍋物需要の増加と、9月後半の豚価の値下がりによって、量販店でも棚替えを機に精肉売り場は国産のフェースが広がり、とくにバラの荷動きは堅調となった。11月も末端需要は10月を引き継ぐ流れで、バラを中心にマズマズの商いが期待できそうだ。ただ、今年11月は全国的に平年よりも気温が高いと予想されるうえに、前年と違って冷凍在庫(バラ除く)は各社多く抱えていること、大きなイベントも少なく、年末年始を前に家庭の出費が抑えられることから、上物部位よりもスソ物や輸入品に消費が移る可能性も否定できない。出荷頭数も多いため、相場の上げ要因は少なく、中旬にかけて落ち込み、月間平均ではほぼ横ばいの上物税抜き420~440円(税込み450~480円)の展開と予想する。

[供給見通し]
農水省が10月31日に公表した肉豚生産出荷予測によると、11月の出荷は前年同月比2%増の150.3万頭と予測している。過去5年平均比では5%増となる。21日稼働として1日当たりの出荷頭数を計算すると、7万1,571頭となる見込みだ。足元の出荷状況は、九州や東北地方など各地の気候によって増体にバラツキが生じているが、一部では相場安で農家が出荷調整を行ったことで、増体が良過ぎて、かえって重量が上物の範囲を超えてしまう枝肉も目立っているという。この上物率が低下した結果、先月末からの上物相場が強含んだとみられる。気象庁の季節予報では、11月は全国的に平年よりも暖かい日が続くと予想されているが、下旬に向かうに連れて朝晩の寒暖差が激しくなるにつれ増体の良さも落ち着き、出荷も安定化するとみられる。逆に、肺炎などで増体の悪化につながる恐れもあるが、祝日で稼働日が少ない4週目にかけて多めの出荷となった場合、相場の下押し要因となるだろう。

農畜産業機構の需給予測では、11月のチルド豚肉の輸入量は前年同月比14.4%減の3万4,700tと見込んでいる。11月入荷の玉は為替が悪化し、現地相場が跳ね上がったタイミングで成約したことでコストが上昇しているものの、国産ロースについては輸入チルドとの競合も予想される。

[需要見通し]
末端需要、とくに量販店の売り場は、10月前半こそ輸入チルドが中心だったものの、後半から徐々に国産へのシフトが進んでいる。ただ、輸入チルドも通関遅れの影響は別として、国産の豚価が安くなるこの時期であってもスライスから小間切れ・切落しまでそれなりのフェースを確保しており、季節に関わらず売り場に定着している。現状、国産生鮮物はスライス需要でバラはタイト感があるものの、カタロースとロースの動きは鈍っており、荷余り感も出ている。夏場以降、動きが悪化し、先月まで販売に苦しんでいたモモについては、不足しているバラとはめ込んで販売した結果、店頭でモモ・スライスなど販売したことで、量販店サイドの値入率も大きく向上したとの情報もある。ウデも小間材として安定した引合いがあるようだ。一方、冷凍玉は前年のこの時期と違ってバラ以外は大分在庫を積み増しており、中間流通にとってこの時期の凍結回しは非常にリスクが高い。このため、需要が強くて足りないバラに他のアイテムをプラスして販売するなど、生鮮で売り切る戦略が取られそうだ。

[相場動向]
11月第1週(1~2日)の関東3市場の上物相場は413円(税抜き)となり、前年同週比で116円安となった。2週目以降は出荷も安定し、税抜きで400円前後に下押しそう。さらに、3連休以降前後には上げに転じて450円近辺まで上がると予想する。月間平均では上物税抜きで420~440円(税込み450~480円)、中物で400~420円(同430~450)を維持できるかどうかというところ。

〈畜産日報 2018年11月5日付より〉