日本食鳥協会(佐藤実会長)は20日、東京都港区の浜松町東京會舘で「地鶏銘柄鶏振興緊急対策事業」の一環として、「地鶏料理試食・商談会」開いた。今年で3年目の開催となり、東京會舘のシェフたちが高品質な地鶏の特性を最大限発揮した料理レシピを考案、その成果を「地鶏レシピ集Ⅲ」として取りまとめた。試食会ではレシピ集が配布されるとともに、実際に掲載されている料理が振舞われた。

冒頭で佐藤会長が「試食・商談会は今年で3年目を迎えるが、日本の財産である地鶏を広く知ってもらうと同時に味わってもらうことで、より多くの人に地鶏の良さを広めるため、PRの一環として推進している。これまで日本国内の皆さんに対し、地鶏のおいしさや特徴、ジャパン・チキンの安心安全について説明する機会が不十分だったとの反省がある。この機会に、現在46種ある地鶏についてよく知っていただきたい」とし、「現在、地鶏のメーカーも地鶏を使った商品開発が多々進められていると聞く。今回考案していただいたレシピで、新しい商品開発の参考にしていただければ幸い」とあいさつした。

今回のレシピでは、川俣シャモ(2品)、奥久慈しゃも(2品)、奥美濃古地鶏(3品)、大和肉鶏(2品)、長州黒かしわ(2品)、黒さつま鶏(2品)――の6品種を使用した計13品のメニューが紹介されており、試食会ではそれぞれの生産者から地鶏の特徴が説明された。川俣シャモは福島県川俣町で、生産拠点である川俣シャモファームを中心とした14戸の農家で生産。1985年に誕生し、現在は年間6万7,000羽を生産しているという。軍鶏の血統を25%以上引き継いだ地鶏で、肉質は軍鶏の味の濃さを残しつつ、適度な歯ごたえとジューシーさを併せ持つことが特徴だとした。茨城県大子町で生産される奥久慈しゃもは、茨城県養鶏試験場が開発した軍鶏・名古屋種・ロードアイランドレッドを組み合わせた地鶏。現在は年間5万羽を出荷し、その7割が都内の鳥料理店などに出荷される。組合の発足当初はしゃもの認知度が低かったが、最近ではしゃもがおいしい鶏だと認知されてきたという。

奥美濃古地鶏は、天然記念物に指定されている「岐阜地鶏」をもとに、地方活性化のため岐阜県畜産研究所によって開発。現在、年間12万羽を生産し、赤みを帯びた歯ごたえの良い肉質が特徴。主に県内のスーパー、料理店、生協などで取り扱われている。県では東京五輪に向けGAP認証を推奨しており、奥美濃古地鶏の直営農場では6月からGAPチャレンジシステムに取組んでいると説明。

奈良県の大和肉鶏は、県畜産試験場が新品種の開発に着手、82年に「大和肉鶏」が誕生した。雄系にシャモを雌系に名古屋種とニューハンプシャー種の2元交配種を交配した3元交配種。坪当たり30羽以下の飼育密度を維持し、年間8万羽を出荷、現在では、奈良県の代表的な特産品となっている。山口県初のオリジナル地鶏となる長州黒かしわは、国の天然記念物である「黒柏鶏」をもとに誕生した地鶏。2009年から販売を始め、現在は年間3万4,000羽を出荷している。海外での展示会に出展するなど、輸出に向けても積極的にPR活動を実施している。

鹿児島県の黒さつま鶏は、黒豚、黒牛に続き“第3の黒”として開発され、11年から販売を開始、県内約20戸の農家で年間20万羽を生産している。首都圏の飲食店を中心に販売を行い、県内でも“地鶏食べ歩きマップ”を作成し推進に取組んでいる。加工品も多く取り扱っており、さらなる販路拡大のため県外のイベントにも積極的に参加。昨年、鹿児島県のブランド認定も取得したと説明した。

〈畜産日報 2018年11月26日付より〉