〈和去A5は2,850円前後、A3は2,350円前後か〉
2月は、不需要期で和牛去勢は各等級で前月を下回った。だが、A4、A3は出荷頭数が想定より少なく、下げ幅は縮小し、A3で20円安にとどまった。交雑種は頭数が少なく、量販店での販売が継続していることで、当初は1月並みを予想していたものの、B3で22円高、これに引きずられB2は59円高と年末相場並みの高値を付けた。

3月は、例年彼岸に入れば荷が動き出すと言われており、21日の「春分の日」あたりから、花見需要、歓送迎会需要などで消費が回復してくるとみられる。ただ、今年は4月末から10連休があることで、3月末から手当てを始めなければ間に合わないとの指摘がある。そのため、上旬、中旬は2月水準で推移し、下旬は例年よりも上昇幅が拡大、月間の加重相場では2月を上回ると見込まれる。3月の相場は、和去A5は2,850円前後、A3は2,350円前後、交雑B2は上昇傾向だが、極端な上昇は難しく1,600円前後とみられる。

2月の東京食肉市場の規格別の価格(生体、消費税込み)をみると、和去A5が前月比21円安の2,807円、A4は10円安の2,503円、A3は20円安の2,305円、交雑去勢B2は59円高の1,580円、乳去B2は1円高の1,061円となった。和牛は各等級で低下したが、総じて小幅な下げにとどまった。前年比では、和去A5が41円高、A3は193円高、、交雑B2は349円高とそれぞれ大きく上回っている。量販店で、より安価な国産の牛肉へのニーズが高まっていること、頭数が減少に転じていることで交雑種の上昇が目立つ。

3月の生産見通しは農畜産業振興機構の予測によると、成牛の出荷頭数で3.1%減(1日当たりでは0.6%減)の8万1,500頭と見込まれる。品種別の出荷頭数は、和牛は1.2%減の3万4,200頭、交雑種は2.8%減の1万9,300頭、乳用種は5.6%減の2万6,800頭が見込まれる。和牛、交雑種、乳用種とも前年を下回る見込み。

また、輸入チルドの2月の輸入量は0.7%増の2万100t、3月は1.1%減の2万2,100tと、3月は米国産の減少で前年をわずかに下回ると見込んでいる。今回、同振興機構では19年1~6月の牛と畜頭数見込みを発表したが、和牛は前年同期並みと見込まれるものの、交雑種、乳用種の減少が見込まれ、合計では前年同期比約2%減を見込んでいる。和牛は、生産基盤の回復に伴う出生頭数の増加で前年同期並み、交雑種は酪農家での性判別精液の活用により約3%減、乳用種は生乳生産基盤の縮小や酪農家での性判別精液の活用で約5%減を見込んでいる。

3月の量販店では、引続き季節的に安価な牛肉が中心であり、和牛・交雑・ホルスの切り落とし、輸入牛肉の焼き材(バラ)、肩ロースステーキの訴求がメーンになる。「春分の日」前後からは、国産系でも焼き材の露出が増えてくるとみられ、年度末を迎え、歓送迎会などで外食需要も盛り上がってくる。そのため、枝肉相場は上・中旬は2月水準並みから弱保合で推移するものの、20日以降は上昇に転じる見込み。

ただ、今年は4月下旬からの大型連休が10連休となっており、この対応をどうするかが不透明になっている。当然連休前の手当てが重要になるが、欠品を防ぐために、早めの対応になるとすれば3月最終週から手当てを開始することが想定される。決算の関係で3月末の在庫をなるべく軽くするのが例年の対応だが、今回はそうも言っていられず、在庫もやむなしとの対応となりそうだ。そうなると、最終週は例年より一段強い相場が見込まれる。生産者も、高値が想定される4月上・中旬をターゲットに出荷するとみられ、3月の出荷は少なめとの見方が聞かれ、これらを勘案すれば、さらに強めの相場も想定される。

この結果、3月の相場は和去A5で2,850円前後、同A3は2,350円とみられる。交雑B2は上昇傾向が続いているがこれ以上の上昇は量販店での価格転嫁が難しいことで1,600円前後と見られる。乳去B2は1,080円前後とみられる。

〈畜産日報 2019年3月8日付〉