〈相場安で特売の期待も、ムネの動きはまずまずで横バイ〉
最大10連休となった5月の大型連休以降、末端消費が冷え込むなか、この時期のじめっとした陽気も重なり、食肉のなかで総体的に単価の安い鶏肉でさえも、モモ中心に荷動きは低迷している。手羽元やササミなど副産物の荷動きも弱く、相対的にムネの動きはマシに見えるものの、唱えは月間通してほぼ横ばいとなるなど、価格を押し上げるほどの状況ではなかった。

7月も結論からいえば需要の期待は薄く、少なくとも梅雨が明けるまでは末端需要は低迷状態が続くものと予想される。他方で、供給は順調のため、モモ・ムネともに需給面で大きな変化はなさそうだ。7月相場は、農水省市況(速報値)でモモがジリ安の570円、ムネが横ばいの240円、日経加重ではモモ550~560円、ムネ230円と予想される。とくに4週目からは学校給食も止まるため、モモの需要はいっそう厳しくなると予想されるが、相場が500円台半ばまで下がってきたことで、末端の販促が強まるか注目されるところ。
 
[供給見通し]

日本食鳥協会の生産・処理動向調査によると、7月の生体処理羽数・生体処理重量はそれぞれ前年同月比で3.3%増、3.6%増と予想している。各ブロックとも昨対減はなく、中部地方では2ケタの増加もみられる。足元では九州南部の大雨が懸念されるが、一部大手インテの工場がもともと休業だったこともあり、生産や物流を含め3日現在、目立った影響は聞こえてこない。日本種鶏孵卵協会がまとめた5月のブロイラーひなふ化・え付け羽数も2.5%増と前年を上回るなど、増産基調に変りがなく、引続き潤沢な供給が予想される。ただ、一部で増体が良いため、手羽先などA級品が減っているとの声もある。

農畜産業振興機構の鶏肉需給予測によると、7月の生産量は前年同月比1.5%増の13万t、輸入量は同1.2%増の4.6万tとしており、7月の供給量もやや過剰気味と予想される。ただ、夏場は気温の動向によって重量ベースでの生産量が左右される面があるため、後半以降の天候が気になるところ。
 
[需要見通し]

5月の連休以降、食肉の末端需要は全体的に低迷している。この傾向は6月も続いており、とくにモモの不振は深刻、政策として12月に向けて凍結回しの動きもあるものの、在庫も多いことから限界があり、フレッシュで売り切る動きもある。売れ筋は、食肉全般を通して最も単価の安いムネが加工向け含めて動いているものの、月間通じて横ばい基調で推移するなど、唱えを押し上げる状況となってはいない。

7月は、モモが日経相場で500円台の半ばまでジリジリ下がったことで、値頃感から月後半に末端の販促が強まってくる可能性も考えられる。比較的堅調に動いているムネは、サラダチキンやチキンカツなどの需要が見込まれる。ただ、夏場商材の砂肝やササミ、手羽先についてはいまの需給動向を見る限り、今年は苦戦を強いられそうだ。
 
[価格見通し]

5月以降、モモはジリ安、ムネは小確りの展開となったが、供給量が多いため7月もこの流れは変わらないと予想される。とくに4週目以降は学校給食が止まるため、モモは苦戦を強いられそうだ。このため、7月の平均相場は、農水省市況で570円、日経加重で550~560円と6月から一段安と予想される。ムネは月間通して現状を維持し、平均相場は農水省市況で240円前後、日経加重で230円前後と予想される。副産物は、手羽先以外は弱気の展開と予想される。輸入品については、現地オファーが強気にあるものの、末端需要の低迷もあり、国内現物の相場も上げ・下げはなく、横ばいの推移と予想される。

〈畜産日報 2019年7月4日付〉