通常であれば7月後半は、学校給食の休みで需要が落ち込むなか、梅雨明け後の猛暑で出荷頭数が落ち込むことで豚価が下支えされるケースとなる。だが、今年は例年以上に梅雨明けが遅れたことで末端消費が予想以上に不振。梅雨寒で成育状態も良く、4週目に入っても1日当たりの出荷は6万5,000頭前後を維持。これに末端不振による豚価の落ち込みをみて、高値を見込んでいた生産者は早出しを行ったことで、さらに出荷増&豚価下落という負のスパイラルに陥った。結果、梅雨明けした7月5週目には、最安値となった25日の406円(東京市場、上物税抜き)から反発して460円まで持ち直したが、月間平均では上で520円、中で494円といずれも前年同月より80円強下回る予想外の安値相場となった。

8月1日は東京市場で上物税抜き463円(税込み500円)でスタートした。梅雨明けに伴い、今後、需要面では盆休み期間中の焼き肉やバーベキューなどで上向くことや、量販店での販促の強まりも期待される。これに対して供給面では、猛暑による生育悪化と早出しの反動などで出荷は予想よりも伸びてこない可能性もある。供給面では豚コレラやPEDなど疾病要因で不透明な部分が多いものの、少なくとも枝肉相場は持ち直し、月間平均では上物税抜きで520~530円(税込み560~570円)程度と予想する。

[供給見通し]
農水省が7月4日に公表した肉豚出荷予測によると、8月の全国出荷頭数は前年同月比1%増の126万8,000頭と予想している。農畜産業振興機構の豚肉需給予測では、8月の豚肉生産量は同2.5%減の6万8,400tと予想している。さらに、梅雨明け後の全国的な猛暑続きで餌の食い込みが低下し、増体悪化による出荷減も予想される。すでに、薄脂の傾向もみられ、上物率の低下に伴って相場が下支えされる可能性もある。さらに、豚コレラの影響で、名古屋方面送りのための枝肉の確保も継続するとみられる。

機構の需給予測では、8月のチルド豚肉の輸入量は、前年同月比6.3%減の3万4,600tとしている。昨対比でみると、前年が国産豚肉の相場高を背景に輸入量が増加した反動から「かなりの程度下回る」としているが、7月から1,100t多く、引続き3万t台半ばのボリュームになる見通しだ。
 
[需要見通し]

末端消費は、6月の梅雨入り後というよりも、最大10連休となったゴールデンウィーク以降、消費者の生活防衛意識の高まりから消費が冷え込んだ状況となっている。そして、梅雨明けが遅れたことで食欲不振が長引き、例年以上に消費不振が際立ち、7月はスソ物以外、売れ筋部位がないという状況となった。これが7月下旬の相場急落の一因となった。

8月は、盆休みにかけて都市人口が減少するため、都市部での需要はあまり伸びることはないとみられる。これに対して、地方での需要がどこまで強まるか、地方送りで都市部の在庫を上手く消化できるかがポイントとなってきそうだ。パーツは月替わりとなる7月最終週あたりから徐々に動き出しており、ロース、カタロースは企業にとってマチマチながらも、バラ、ヒレ、スペアリブの動きは共通して良くなっている。スソ物では、モモは引続き何とか動いているなか、ウデは弱いが、夏休みが終わる8月後半はスソ物の需要が回復してくるものとみられる。問題は、輸入チルドがそれなりに入ってくるなかで、盆休みにかけてロースがどこまで売れるかといったところ。

[価格見通し]
8月の豚枝肉相場は、末端消費の不調と出荷減という要因が相場にどう反映してくるか、予想が難しい。消費が低迷した場合は出荷減と相殺され、さらに順調な出荷状況となった場合には、相場の大きな上げ下げはないものとみられる。需要、供給面での不透明さもあるが、現状、8月の相場は、盆休み前の手当てが強まる来週にかけて上昇し、月間の平均相場(東京市場)は、上物税抜きで520~530円(税込み560~570円)程度と、7月および3年前のような500円割れでの推移はないものとみられる。

〈畜産日報 2019年8月2日付〉