8月の鶏肉需給は、前月の長梅雨とその後の猛暑、さらに関西では盆休み期間中に台風が重なり、全体として消費は振るわなかった。8月下旬には量販店で決算セールがあり、多少の特売が見られたものの、期待したほどの売れ行きとならなかったもようだ。供給面では、近年、ブロイラーの耐暑性が向上しているが、やはり一部の産地では猛暑で重量が乗らなかった農場もあったもよう。ムネやササミ、砂肝など、出来高が減ったことで在庫が減り、月後半にかけて相場が強含んだ。結果、月間平均では、農水省市況(速報値)ではモモが前月比11円安の554円(前年同月比1.1%安)、ムネが2円高の239円(同13.4%安)。日経加重ではモモが8円安の535円(0.6円安)、ムネが3円高の225円(14.2%安)となり、ムネはわずかに値上がりしたものの、以前のような勢いはなく、昨年、一昨年の相場を大きく下回った。

農畜産業振興機構によると、9月の国産鶏肉の供給量は13.1万tと、前月から2,600t(2.0%)ほど増える見通し。前年同月比では5.2%増だが、前年は台風21号や北海道胆振東部地震による供給面に影響が出たことを留意する必要がある。需要面では、学校給食の再開や行楽シーズン、気温低下に伴う鍋物需要など期待することができる。凍結回しで冷凍物の在庫は多いが、それでも年末需要を見込んだ加工筋の手当買いも見込まれるか。ただ、10月からの消費増税も控え、消費者の価格志向は一段と強まることも予想され、相場の大きな上げは見込めそうもない。

[供給見通し]
上述の通り、農畜産業振興機構の鶏肉需給予測では、9月の生産量は13.1万t(前年同月比5.2%増)、輸入量は4.8万t(18.7%増)としている。また、日本食鳥協会のブロイラー生産・処理動向調査によると、9月の生体処理羽数は3.8%増、生体処理重量で4.5%増としている。前年の北海道胆振東部地震の反動も加味する必要があるが、小雛など猛暑の影響で機構の予想よりもやや下回る可能性もある。輸入品は7月の5.3万tに続き、8月、9月ともに4.8万tと5万t近い輸入が予想されている。8月のブラジルの船積みは3.2万tと6カ月ぶりに3万t台前半のレベルまで抑制されているが、7月末時点で12.8万tプラス未通関玉7,409tの在庫をどう消化するか課題となっている。ディスカウンターなどでは国産との価格競争も強まりそうだ。

[需要見通し]
天候不順によって8月の鶏肉需要は低迷気味で推移した。先週(9月第1週目)も「モモ正肉や手羽元など引合いがあっても、安いオーダーが中心」(関東の荷受)と、前月末の雰囲気を引きずっている。ただ、9月は学校給食が再開し、今後、3連休が2週連続で続くことや、中下旬には量販店の棚替えが進むとみられる。モモや手羽元など需要は徐々に上向いてくる方向だ。ササミも「敬老の日」に向けた需要に期待したいところ。凍結物についてもムネなど安価な玉を中心に徐々に締まってくる見通しだ。ムネも加工向けに安定した需要が見込まれる。ただ、市中在庫が多い輸入品や、輸入チルドポークの販促も強まることが予想されるため、畜種間での価格競争は一段と激化してくるか。

[価格見通し]
9月の出荷羽数、処理重量は前月から極端に増加することは考え難く、需要も気温低下と棚替えのペースに連れて緩やかに強まってくるとみられるため、月間平均相場としては、9月は大きな上げはなさそうだ。そのなかで、モモは鍋物需要が強まってくるとみられる中旬以降は強含み、月末には日経加重で560円まで上げるものと予想される。結果、農水省市況では、モモがジリ高の565円前後、ムネが横ばいの230~240円、日経加重ではモモ550円前後、ムネが230円前後と予想する。

〈畜産日報 2019年9月9日付〉