〈前半揚げ物、後半は手羽含め鍋物需要に期待〉
9月の鶏肉需給は、学校給食が再開し、「敬老の日」を含む2つの3連休を控え、需要好転の期待があったものの、結果は台風など天候不順の影響で消費はイマイチとなった。20日前後には量販店の棚替えが進んだことで、から揚げなどモモ正肉の動きが出てきたが、量販店では単価を抑えたため、物量は出ても売上げには結ばなかった企業も多かったようだ。特に月後半は、節約志向の強まりからか、モモよりも値ごろ感のあるムネ正肉やミンチ、手羽中などグラム50円前後の商品の売れ行きが良かったようだ。

10月は例年鍋物需要が強まってくるため、モモ正肉中心に需要は強まり、相場も強気の展開となる流れ。ただ、気象庁の季節予報によると、向こう1カ月間は全国的に平年より気温の高い日が続くと予想されており、さらに行楽シーズンでもあることから、モモ正肉は揚げ物での利用頻度が高まりそうだ。10月1日からの消費税増税後、量販店各社はポイント増セールや生活応援を謳った特売を展開しているなか、単価の安い鶏肉の需要は底堅いとみられる。気温が低下する下旬にはカレー・シチューを含めた鍋物需要の本格化も期待したいところ。このため、10月の月間平均相場はモモがジリ高となり、農水省市況で585円、ムネが260円で、正肉合計850円。日経加重ではモモが570円、ムネが250円の合計820円と予想したい。

[供給見通し]
日本食鳥協会がまとめているブロイラー生産・処理動向調査によると、10月の生体処理重量は前年同月比1.9%増、生体処理重量は同2.4%増と増加基調が続く見通しだ。朝晩と日中の寒暖差から、一部産地では重量が乗らないところも残っているものの、全体として出来高・供給量は大分回復している状況だ。農畜産業振興機構の鶏肉需給予測では、10月の国内生産量は同3.4%増の14万5,700t、輸入量は同17.7%減の4万4,800tとされている。輸入品は庫腹問題を含めて国内在庫過多が続くなかで、売り気が強く、相場も弱気に推移していたが、決算月が過ぎて在庫がやや締まり、現状は底打ち感もある。依然として全体の在庫は多いものの、BL200g以下やタイBLKの一部サイズ、国産ムネ凍結品など、商品によっては在庫が締まってくる可能性もある。

[需要見通し]
9月の鶏肉需要は上旬から中旬にかけては不調、量販店の棚替えが済んだ下旬にモモの動きが良化、ムネもソコソコの動きが継続した。10月は気温の低下に伴い鍋物需要が強まってくるものとみられるが、前述の通り、月間通して気温の高い日が続く見込みのため、行楽需要も手伝い、モモ正肉中心に揚げ物やカレーなどでの消費が強まりそうだ。既報(2日付)の通り、日本唐揚協会が「から揚げ強化月間」(10月1日〜31日)を掲げ、全国のから揚げ専門店や外食、総菜売り場で販促活動を展開するため、こうした動きも追い風に繋げたいところ。ムネも引続きテーブルミート向けのほか、鍋用の団子など加工需要の強まりが期待できる。輸入品に関しても堅調な総菜需要のほか、節約志向の強まりから量販店での取扱いも進むとみられる。副産物は、夏場需要の手羽先、ササミ、砂肝、肝は不需要期に入るため荷余り感が強まるものの、鍋物や煮物関係で手羽元、手羽中の動きも期待される。 

[価格見通し]
10月は基本的にモモ正肉を中心に強気の展開となりそうだ。ただ、供給量も多いため、月間通して小幅な上げにとどまりそうだ。このため、10月の月間平均相場はモモでジリ高となり、農水省市況で前月比25円高の585円(前年同月比1円高)、ムネが11円高の260円(同19円安)で正肉合計で850円(20円安)。日経加重ではモモが570円(前年同)、ムネが250円(18円安)の合計820円(17円安)と、モモはほぼ前年並み、ムネは7%ほど前年を下回るとみられる。

〈畜産日報 2019年10月3日付〉