〈中旬にかけて中だるみの予想、後半に持ち直しの展開に〉
例年10月から11月にかけての豚枝肉相場は年間通じて底値となり、11月後半から12月上旬にかけて徐々に回復して年末相場の展開になる。ただ、今年は台風による被害や疾病、豚コレラなどの影響から供給面での不安要素も多く、今後の上場頭数によっては極端な相場の下落もなく、下げても前月並みの水準を維持するものとみられる。末端消費については、9月、10月も連休・祝日があったものの、相次ぐ災害や天候不順で総じて期待外れに終わった。11月は平年並みの気温が見込まれており、秋の収穫祭などの催事で、ようやく鍋物需要の本格化が期待され、すでに先月からバラの荷動きは堅調となっている。ただ、輸入品の供給が多いこともあり、引続きロースなど販売は苦戦を強いられそうだ。このため、3連休が明けて、出荷が増えてくる中旬にかけては一時的に多少中だるみとなるが、下旬にやや戻してくるパターンが予想される。
 
[供給見通し]

農水省が1日に公表した肉豚生産出荷予測によると、11月の出荷は前年同月比5%減の141.6万頭と予測している。過去5年平均比でも1%減で、20日稼働として1日当たり7万800頭と前年(7万1,000頭)を若干下回る見込みだ。農畜産業振興機構の需給予測でも11月の出荷は同様に141.6万頭で、生産量は8万600t(前年同月比2.1%減)と予測している。

東北・関東の一部産地では災害や疾病の影響が尾を引いていることや、豚コレラ発生で供給不足となっている地域からの引合いが継続していること、ワクチン接種豚と非接種豚への対応などから、特定産地など相対取引での不足分を市場から調達する動きも考えられる。ただ、気象庁の季節予報では、11月は全国的に平年並みの気温が予想されており、通常の出荷分については増体悪化などなく、安定しているとみられる。また、機構の需給予測では、11月のチルド豚肉の輸入量は3万5,300t(前年同月比11.5%減)と見込んでいる。昨対割れしているが、それでも3万t台半ばのボリュームがあり、ロースなどは輸入チルドとの競合が予想される。

[需要見通し]
先月まで末端需要は、台風や天候不順などの影響で不振となったが、それでも鍋物需要でバラの荷動きはまずまず。ロースは輸入品との競合もあり芳しくなかった。昨年は相場安で推移してきたなか、下旬にかけて気温が冷え込んだため、量販店の販促が強まった。今年は、災害と天候不順が相次いだ先月に比べて、11月はようやく秋らしい平年並みの天候・気温が予想され、量販店なども秋の収穫祭など催事や販促が予想される。現状では、バラの荷動きは堅調で市中在庫もひっ迫気味となり、必要分を集めるためセットでのオーダーも入っているもよう。バラの凍結物も堅調で強含んでいる。ウデ・モモについては、月初は動いているが、とくにモモは今後落ち着く可能性が高い。

カタロースは前年ほどではないが、先月までモノが少なかったこともあり確りしている。問題はロースで、凍結回しの動きも考えられるが、その凍結物も価格次第で動く状況で、ロースの消化が課題となっている。

[相場見通し]
10月の月間平均相場(東京市場)は上で税抜き464円(前年同月比35円高)、中で432円(同33円高)と、前年を30円強上回った。先月までは台風による災害や天候不順、豚コレラのワクチン接種開始など大きな出来事があったが、11月はようやく環境的には落ち着くとみられるため、基本的には11月の相場は前月並みを維持するとみられる。

3連休以降、中旬は410~420円程度の水準まで下がるものの、下旬は12月に向けた発注への対応から、問屋筋の買いも強まることで持ち直してくるとみられる。今後の上場頭数次第ともいえるが、月間平均では上物税抜きで450~460円(税込み490~520円)、中物で410~420円(同440~450円)と予測する。

〈畜産日報 2019年11月6日付〉