チリ最大の総合食品メーカー、アグロスーパー社の日本法人アンデス・アジア(代表:高宮アンドレアス・アジアゼネラルマネージャー)は12月10日、東京都港区のアンダーズ東京で取引先関係者を招いた「お客様謝恩会」を開いた。当日は高宮マネージャーが日ごろの愛顧に感謝の言葉を述べたあと、畜産およびマーケティングの担当者から、それぞれ2019年の実績と20年の活動方針を説明。アフリカ豚コレラ(ASF)による中国からの豚肉需要の増加など不安要因が広がるなか、アグロスーパーとしては日本との長期的な関係を重視し、引続き顧客への安定供給に努めていくこと、またBtoBのマーケティングを積極的に展開することで、取引先の売上げ拡大をサポートしていくと強調した。

当日は、来賓の駐日チリ大使館のフェリペ・ディアス参事官があいさつした後、セールスマネージャーのホフマン・マシュー氏から19年の実績やASFへの対応方針などが紹介された。それによると、19年(1~11月)の輸出実績は豚肉で20万t(2工場体制、1日当たり処理頭数1万4,000頭)、鶏肉で10万4,950t(2工場・80万場)、七面鳥が2万4,000t(1工場・3万3,000羽)に上るという。このうち、豚肉の東アジア向け輸出実績は、日本が2万4,667t、韓国が2万1,626t、中国は11万8,525tに達していると説明した。

この中国市場向けの販売動向についてホフマン氏は、「従来は骨、頭、脂、内臓など副産物が中心だったが、ここにきてウデ・モモ・バラなど部分肉の輸出もしている」と説明。ただ、「中国のいまの状況はあくまで、少し長めのスポットビジネスであると捉えており、(アグロスーパーとして)中国のいまの状況に依存することはしない方針を持っている」と強調した。さらに、中国向けには1カ月当たり一定数量の輸出制限を設けることで、「長年の付き合いのある日本や韓国の顧客と長期的な関係を維持していく。このような大変な環境下、皆さんのパートナーとしてお役に立てるような会社を目指していく」と、理解を求めた。日本とチリの両国の関係についても、「両国の距離は遠いと感じられるが、実際の航路日数は30日間となっており、欧州やブラジルなどと比べると近く、チリは実は遠いようで近い国であることを理解してほしい」と訴えた。このほか、マシュー氏は100%垂直統合システムによる生産体制や、成長ホルモン剤の不使用、創業時からのサステナビリティ・ビジネスの取組みなど、アグロスーパーの強みを説明するとともに、同社のポークはさまざまな料理に対応できる品質であることを紹介した。

〈パートナー・プログラムを通じて、取引先の売上げ拡大をサポート〉
アジア・トレーディングマネージャーのハンセン・マティアス氏からは、19年のマーケティング活動を報告した後、20年のマーケティングとパートナー・プログラムを紹介した。基本はBtoBのマーケティングで、取引先の売上げ拡大または営業部門のニーズに応えるサポートを中心に展開していくというもの。具体的には、営業ツール(商品写真、ビデオ、展示会サポート、営業チームなどの社内勉強会・試食会の開催など)を提供していく。取扱い飲食店向けには、販促キャンペーンの計画・実施、マーチャンダイジング(包丁、エプロン、ブランドロゴ入りメニュー・消耗品の提供)を、新規・既存取引先向けには食肉専門セミナー、さらに量販店向けには店内での試食販売や資材配布など行うことを提案した。

乾杯の音頭で高宮マネージャーは、「19年は貿易問題や疾病などで非常に不安定で難しい年だった。来年は日本の取引先といかに長期的な取組みができるかが、チャレンジとなる。この間のアグロスーパーの成長は、日本の顧客との付き合いによるものが非常に大きかった。今後も日本の顧客とともに成長していきたい」と感謝の言葉を述べた。

〈畜産日報 2019年12月12日付〉