7月の豚価は当初、4連休の手当てが入る中旬でも600円絡みとなり、月間平均では580~590円(上物税抜き)と予想されていた。だが、出荷頭数が予想以上に少ないこともあり、ここへきて再び600円台半ばまで上がる可能性も出てきた。このところ新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者数が再び増加しており、7月9日は東京都で過去最多の感染者数を記録した。

本来であれば、梅雨明けのタイミングも重なる4連休にかけて外食や久々の行楽需要が期待されていたものの、この状況から再び消費者の外出や会食を控える動きとともに、いわゆる“巣ごもり需要”が強まる可能性が高まっている。

今年2~3月に見られた買いだめこそはないものの、この週末や4連休に向けては家庭内消費の増加から、枝を手当てする動きが強まってくるとみられる。今年は学校の終業式も8月にずれ込む地域が多いため、学校給食も続くなど、例年とは異なる需要動向が続いており、逆に8月に入ると再度、輸入チルドとの競合で豚価の状況が一転する恐れもはらんでいる。

5月の大型連休明けは上物税抜き700円台でスタートしたものの、末端消費は鈍化してスソ物中心の展開となり、相場は逆ザヤとなった。6月は560円から始まり後半からジリ上げとなるなか、外食店の営業や学校給食の再開などもあり末端消費もまずまずの動きを見せていた。7月は、出荷頭数が前年同月比5%減の129万頭と予想されており、実際に関東3市場以外の地方でも上場頭数が少ないところが目立っている。高温多湿の天候により増体重が悪化、出荷適齢豚も少ないともいわれており、集荷に苦慮している市場やセンターもあるようだ。

末端需要では、量販店は輸入チルドの供給減から特売頻度が減って国産へのシフトが進んでおり、売価も上昇している。問屋筋にとっては、逆ザヤにあるものの、ウデ・モモを中心にロース、カタロースといった各パーツの引合いは堅調で、昨年よりもバラしを減らしているためパーツ単品のオーダーには対応し切れない状況だ。凍結物もこの春の豚価高で仕込みが少なううえに、量販店のひき材の売れ行きが好調のため、スソ物や大貫正肉の発注も多い。

こうした足元の供給事情を受けて、4連休に向けて枝の手当ては例年より早めとなり、来週早々にもその動きが強まると見られている。すでに、「中部位の中で引合いが落ち着いていたバラの発注がここにきて増えており、西日本送りも含めて状況は一変する可能性がある」(関東の卸筋)との見方も出ている。

東京市場の7月9日の上物相場は前日比11円高の619円と上伸し、関東3市場も同4円高の610円だった。10日の東京市場の上場頭数は1,000頭台で、今後も4連休に向かって4ケタ台の上場の日が多いと見込まれている。だが、産地センターや周辺市場の上場頭数が少ない場合、足りない分を集めに来る可能性もあり、枝肉相場はもう一段上げの展開が考えられる。学校給食が継続することも相場の下支え要因となりそうだ。

ただ、8月からは、北米産の生産回復で現地相場が下落した関係もあり、コンビの関係上ベリーの輸入量が増えてくるとみられる。一転して輸入チルドとの競合も考えられ、今年の豚肉需給は半月ごとに状況が変わるなど、不透明かつ不安定な展開が続くと予想される。 

〈畜産日報2020年7月10日付〉