11月は中旬以降、1日の出荷頭数が7万頭を超える日が続き、例年であれば出荷頭数の増加に伴い相場は下げパターンとなるが、今年は新型コロナウイルス感染症による底堅い内食需要を背景に豚枝肉相場は極端な下げはなく推移した。東京市場の月間平均では上物税抜きで491円(前年同月比70円高)となり、概ね前月(上物税抜き496円)並みの相場展開となった。

11月は、各地で夏日が観測されるなど季節外れの暖かい日が多かったものの、徐々に気温が下がり、朝晩など冬らしい冷え込みとなった。量販店では鍋物コーナーの提案が本格したため、月間通しての荷動きはバラ、カタロース中心の展開となった。

12月は新型コロナの再拡大など不透明感があるなかで、出荷頭数が増えてくること、年末にかけて末端の販促も牛肉や鶏肉にシフトしてくることなどから、相場の上げ要因は少ないとみる向きがある半面、底堅い内食需要を反映し荷動きも堅調に推移することが予想され、年末需要の高まりから相場は徐々に上昇し、年明け分の枝肉の手当てが入る12月3週目(14日の週)から4週目前半に相場のピークを迎えるものとみられる。月前半の中だるみやセリ最終週の相場の落ち込みなどを踏まえ、月間平均では上物税抜きで500円に届くかが焦点となりそうだ。

〈供給動向〉
上述のとおり、11月は中旬から1日の出荷頭数が7万頭を超える日が続いたものの、前半は出荷が遅れ、月間を通しては前年と比べ伸び悩んだ。農水省が11月18日に公表した肉豚生産出荷予測によると、12月の出荷頭数は前年同月比1%減の146.4万頭と予測している。

一方で、関東など一部の生産地では出荷が増えてくるとの話もあり、市場が正月休みに入る前までに出荷はさらに加速しそうだ。今年の東京市場での最終取引は28日となるため、第3週(14日の週)から出荷頭数が本格的に増え、取引頭数も第4週(21日の週)前半までがピークとみられる。

農畜産業振興機構の需給予測では、12月のチルド輸入は引き続き北米工場の稼働率低下の影響もあり、同0.7%減の3万4,200tと3万t台半ばのボリュームになると見込んでいる。また、一時期に比べひっ迫感は解消されつつあるが、北米では慢性的に入船遅れが発生していることから、アイテムによってはタイトな状況が続くものとみられる。

〈需要見通し〉
11月は暖かい日が多かったものの、気温低下に伴い、鍋物需要が徐々に高まってきたことでバラやカタロースの荷動きは順調だった。月初もバラは引続き引合いが多く、カタロースもバラほどではないが堅調に動いている。荷動きの中心はもっぱらこの2アイテムで、その他、ロース、ヒレ、スソ物は苦戦している。とくにこれらアイテムは今後、出荷が増えてくるにつれて供給過多になるとの懸念も。

例年であれば、末端の販促はクリスマスにかけては鶏肉、年末年始は牛肉にシフトすることが予想される。しかし、ことしは鳥インフルエンザの影響などで豚肉へのシフトも考えられる。また、量販店などでは正月休みを例年より1日多く取る動きなどもみられ、外出自粛による“買いだめ需要”など、国産豚肉の消費は底堅く推移することが予想される。

〈価格見通し〉
1日の東京市場の相場は上物税抜き444円でスタートした。出荷頭数次第ではあるが、今週と第2週は450~460円前後(税込490~500円前後)で推移し、第3週~第4週の前半にかけては、500円前後(同540円前後)と相場のヤマを迎えそうだ。その半面、クリスマス以降の25日から最終取引となる28日は、その時期の出荷頭数、さらに市場への上場頭数によっては大幅に下げる局面も考えられる。このため、月間通しでは上物税込で480~490円(同520~530円)の展開を予想する。

〈畜産日報2020年12月2日付〉