〈後半にかけてジリ下げも、月間平均で450~460円前後か〉
2020年12月の豚肉需給は、出荷頭数が順調に推移した中、実需は引続き底堅い内食需要に支えられ、バラ、カタロース中心の動きとなった。豚枝肉相場は東京市場の月間平均で上物税抜き496円(前年同月比25円高)となり、2020年は3月以降、前年相場を上回って推移した。

第3週目までは500円を下回っていたものの、年末年始の手当て買いが強まった第4週目からジリ上げとなり、600円近くまで上昇。近年はご祝儀相場などもみられず、最終日は出荷・上場頭数も少なく急落するパターンとなるが、2020年の東京市場の最終日(12月28日)には、上場頭数も900頭を超え、相場は600円を超える高値を付けた。

新型コロナの感染者数が増加の一途をたどる中、年末年始は帰省や外食を控える動きに加え、寒波などの影響から買いだめ需要などが予想されたことで、最終日も買い気が強いまま推移したようだ。

1月は例年であれば、年末年始の出費の反動もあり、基本的に需要が鈍る時期となる。だが、ことしは1月7日にも首都圏1都3県に対し緊急事態宣言が発令されるなど、再び内食需要が強まることが予想される。

枝肉相場も1月は低迷する時期ではあるものの、出荷頭数の減少や、引続き旺盛な内食需要に支えられ、月間平均では前年相場を30~40円程度上回る、上物税抜き450~460円(税込み490~500円)前後と予想する。

〈供給動向〉
農水省が2020年12月18日に発表した肉豚生産出荷予測によると、1月の出荷頭数は139.3万頭と前年同月比で4%の減少を見込んでいる。1月は寒波の到来が予想されており、増体不良など今後の天候によっては出荷にも影響を及ぼすことが懸念される。

また、年末年始の休みが長いところで8日間あったことで、年明けの出荷については、一部で昨年末に出荷しきれなかった豚がいることや、枝重が重くなることで「上」物率の低下など、品質に差が出てくる可能性も考えられる。

農畜産業振興機構の需給予測では、1月のチルド輸入は同1%減の3万3,200tと3万t前後の輸入量と予測している。北米からの入船遅れが発生していることから、とくに月前半にはアイテムによってタイトな状況となることが懸念される。

〈需要見通し〉
2020年12月はバラ、カタロース中心の展開となり、ロースやヒレ、スソ物などの動きは鈍かった。年末にかけては量販店などで正月休みを例年より多く取る動きがあった中で、外出自粛に伴う買いだめ需要がみられ、売れ行きは好調だったようだ。

年明けとなる今週には各社、追加のオーダーが入っているもよう。1月も気温の低下に伴い、基本的にバラ、カタロースの引き合いが強いとみられる。一方で、年明けの節約志向や学校給食の再開により、モモやウデなどの切り落としや小間材などの発注も入りはじめている。さらに、飲食店への時短要請の前倒しなどで、さらなる内食需要の高まりが予想される。

〈価格見通し〉
ことしの東京市場は1月6日に初セリが行われ、上物税抜き555円(税込み599円)でスタートした。緊急事態宣言の発令に伴う量販店などの仕入れ強化や、「成人の日」を含む3連休に向けた手当て買いなどで、前半の枝肉相場は500円台を超え強気に推移することが予想される。

一方で、基本的には旺盛な需要が続くとみられるものの、緊急事態宣言も首都圏に限定されていることや、量販店などではある程度、消費動向が見極められていることなどから、後半にかけては相場もジリ下げに向かうものとみられる。2020年には400円を割る場面もみられたが、ことしは中だるみとなる時期も400円を割ることは考えにくい。このため、月間通しては上物税抜きで450~460円(同490~500円)と予想する。

〈畜産日報2021年1月7日付〉