第24回全農肉牛枝肉共励会、名誉賞は宮城県の佐藤昭彦氏の出品牛、キロ単価7511円で小川畜産興業が落札、枝重694kg、ロース面積150平方センチメートル

名誉賞を受賞した和牛去勢の部 宮城県の佐藤氏(みやぎ登米)の出品牛
全国農業協同組合連合会は7月1日、東京都中央卸売市場食肉市場で「第24回全農肉牛枝肉共励会」を開いた。全国16都県から和牛去勢209頭、和牛メス80頭、交雑種32頭の合計321頭(ほか審査対象外1頭)が出品された。

名誉賞には、和牛去勢の部から宮城県の佐藤昭彦氏(みやぎ登米)の出品牛が受賞し、キロ単価7,511円で小川畜産興業が落札した。名誉賞牛の成績は、生後31カ月齢、枝肉重量694kg、BMS12、BCS3、A5、ロース面積150平方センチメートル、バラ厚11.5cmだった。血統は父が茂福久、母の父が秀菊安、母の祖父は忠富士。

今回の共励会も、新型コロナウイルス感染防止のため、褒賞式および取引先懇談会は見送られた。

共励会の開催後、審査委員長を務めた日本食肉格付協会の芳野陽一郎専務理事が審査講評を行い、佐藤氏の出品枝肉について「ロース面積は150平方センチメートルと特大、ばらの厚さは11.5cmと充実度圧巻で、皮下脂肪の厚さは1.3cm、歩留基準値は86.8とずば抜けた枝肉だった」と評したうえで、「前躯、中躯、後躯は厚みに富んで体型バランスともに素晴らしく、切開部における胸最長筋および周囲筋のほか、腹鋸筋の厚さ5.2cmと十分で、僧帽筋、広背筋など各筋肉の大きさも申し分なく、切開面における各筋肉がしっかりと存在し、筋間脂肪も適度でほぼ理想的と評価する。脂肪交雑はBMS12で、ロース芯や周囲筋、うちももまで緻密に交雑していた。肉色はBCS3で鮮紅色かつ光沢良好。出品牛のなかでも外観・肉質のバランスが優れており、素晴らしい出来栄えの枝肉だった」と絶賛した。

その他の受賞者は次の通り。

〈和牛去勢〉
◆最優秀賞
栃木・磯野均(30カ月、枝重641kg、歩留基準値84.3、BMS12、A5、キロ単価5,001円で乙川畜産食品)。

◆優秀賞
栃木・佐藤和徳(31カ月、655kg、80.1、BMS12、A5、2,824円で丸金おおつか)

石川・能登牧場(30カ月、601kg、82.7、BMS12、A5、3,385円でJA全農ミートフーズ)

岩手・千葉大(29カ月、528kg、82.7、BMS12,A5、3,078円で小川畜産興業)、ほか優良賞7点。

〈和牛メス〉
◆最優秀賞
栃木・近藤美好(32カ月、428kg、80.7、BMS12、A5、6,085円で吉澤畜産)。

◆優秀賞
岩手・高橋正則(33カ月、486kg、79.3、BMS12,A5、3,093円で吉澤畜産)、ほか優良賞4点。

〈交雑種〉
◆最優秀賞
栃木・小池畜産(672kg、72.4、BMS9、A5、2,505円でエスフーズ)。

◆優秀賞
福島・池田農場(579kg、72.4、BMS8、A5、1,825円でウスネ)、ほか優良賞1点。

〈畜産日報2022年7月4日付〉