難消化性麺「信州生そば」「生パスタ」開発=柄木田製粉

柄木田製粉㈱(柄木田豊社長)はこのほど、難消化性でんぷんを多く含んだ新しい麺を開発した(一部既報)。小麦粉の配合割合や品種、熱処理技術を工夫することで、加工でんぷん等を一切使用せずに難消化性麺を開発し、6月から「からだに優しい生そば」(写真)、「同生パスタ」として販売している。長野県が実施している研究開発型企業育成事業の次世代産業創出共同研究に参加し、長野県工業技術総合センターと共同開発してきた。
開発では、小麦粉の品種やそば粉との配合比率を変えた麺を何種類か製麺し、様々な温度と時間条件で加熱処理し、茹で調理後にアミラーゼ系酵素(消火酵素)で人工消化し、生成する全糖量を測定しながら、全糖量がより少ない加熱処理時間を選定した。その後、食味試験を繰り返し、おいしさの保てる原料配合、加熱処理温度・時間を選定した。複数の被験者に試作品1食分を食べてもらい、血糖値を15分間隔で測定し、従来品と比べ最高血糖値が抑えられ、緩やかな消化が行われていることを確認した。
難消化性でんぷんは、硬い組織に囲まれていることで消化酵素がでんぷんまで届かないタイプ(Rs1)、でんぷん粒子自体が消化されないタイプ(Rs2)、でんぷんが再結晶化(βでんぷん化)して消化させにくい構造に変化したタイプ(Rs3)、化学的に合成された加工でんぷんで消化酵素の作用を受けないタイプ(Rs4)等があるとされるが、今回開発された難消化性麺はRs3タイプに当たる。Rs3タイプは、冷ご飯のように一度加熱されて糊化(α化)した後に冷めてでんぷんが再結晶化し、消化酵素で消化させにくい構造になるもので、今回開発された難消化性麺は、「製麺時の熱処理技術を工夫することで、でんぷんの一部をβでんぷんに変え、加熱処理(茹で)後もβでんぷんが残るのが特徴。食後血糖値も、従来製品では140になるところが120に抑制され、血糖値の上昇が緩やかな麺になる」(同社)という。糖質量は変わらない。