ブランド名を「しきゆたか」に決定、中外食に提供開始=豊田通商

豊田通商㈱(加留部淳社長)は28日、平成27年産米から商業生産を開始した新品種のブランド名を「しきゆたか」に決定、商標出願を行ったと発表した。
「しきゆたか」ブランドで扱う新品種は、現時点で「ハイブリッドとうごう3号」(晩生)と「ハイブリッドとうごう4号」(早生)の2品種。ともに本田技研工業㈱と名古屋大学が共同開発し、昨年9月24日付で種苗法登録されたもので、豊田通商が出資している水稲種子開発ベンチャー㈱水稲生産技術研究所(愛知県豊明市)が種苗法上の権利を保有する。
ハイブリッドとうごう3~4号は、ともに低アミロース(16%前後)で多収性に優れる品種で、単収は通例品種の1.3~1.5倍、最高記録は10a1,005㎏。良食味なだけでなく、直播に向くほど丈夫な稲体で、初期生育が良く倒伏しづらいのが特徴。国内の幅広い産地で作付可能で、26年産の作付は、山形、岩手、宮城、福島、栃木、群馬、埼玉、茨城、千葉、愛知、岐阜、三重、滋賀、福井、岡山、鳥取、島根の17県で約100ha。さらに27年産では、秋田、長野、新潟、広島、山口、佐賀、大分の7県を加え、合計24県で約240haを契約栽培している。豊田通商は、多収で栽培しやすい、つまり生産コストが低いという品種そのもののポテンシャルに加え、IT活用や農法の見直し、投入する農業資材の最適化などに取り組み、「生産コストの4割削減をめざす」としている。新品種は8月下旬から収穫に入り、10月中旬頃にピークを迎える予定で、既に、中食・外食企業向けに販売を開始。豊田通商は「しきゆたか」の名称について、「四季に恵まれた日本の農業に誇りを餅、産業として永続できる生産システムの確立に貢献する」ことを表すものと説明。今後、さらに生産者の事業参加を募って生産量を拡大、平成31年産で2,700ha、2万tの生産を目指す方針だ。