「今後のコメ貿易に最重要な地域はアフリカ」=三井物産・松本裕之参与講演

既報(本紙15日付)の通り、東京農業大学総合研究所研究会は12日、都内で「稲・コメ・ごはん部会 発足記念セミナー」を開催。三井物産㈱(安永竜夫社長)の松本裕之食糧本部参与(写真)は、「世界の主食穀物需給に今、一体何が起きているのか。 ~グローバルな視点から、TPP合意10年後を見据えて~」と題し、要旨以下の通り講演した。
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〈世界の穀物需給の構造〉世界の主要穀物の生産量と貿易量は、今後10年でどうなるのか。現在、世界の農産物総生産量は約57億tと言われている。そのうち主要穀物、すなわち大豆・小麦・米・トウモロコシの4大穀物は、45%に当る28億t。これは今後の10年で31億tに伸びる。そのときの内訳は、最も多いトウモロコシが約10億t、次いで米と小麦が各8億t強で、大豆は3億t程度。これに対し、貿易量は圧倒的に小麦が多い。次いでトウモロコシ、大豆で、米は少ない。
世界人口は現在の74億人から、今後10年で82億人になる。20世紀にはアジアが人口の伸びを牽引してきたが、21世紀はアフリカの時代だ。これからアフリカが米にとって最も重要な地域になる。
〈穀物貿易の動向〉主要穀物の貿易量は現在、世界で約4.3億t。生産量28億tの15%に当る。この比率はどんどん高まってきていて、10年後には生産量31億tの18%、約5.5億tになる。これから10年で1.2億t伸びるということだ。米は貿易量が多くない時代が続いてきたが、これからは違う。TPPに合意したからどうという問題ではない。

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