“日本初”の国産麦アンテナショップ「むぎくらべ」オープン、「生産、加工、販売のサプライチェーン構築へ」/全国米麦改良協会

左からスザンヌさん、全国米麦改良協会・渡辺会長、上月政務官、杉浦太陽さん
(一社)全国米麦改良協会(渡辺好明会長)は2日、“日本初”の国産麦のアンテナショップ「むぎくらべ」(東京・小川町)のオープニングセレモニーを実施。多数の関係者・報道陣が集まった。

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むぎくらべは日本初の国産麦アンテナショップ。地方から全国へ国産麦(小麦、大麦、はだか麦)を使用したパン・麺・菓子を発信したい事業者のための、週替わりのPRスペースだ。初週は(株)おおみね(香川県小豆島)が出店し、「長命草さぬきうどん」のPRと販売を実施。2週目は前田食品(株)(埼玉)の「微細粉の全粒粉100%のふわふわシフォンケーキ」、3週目は笠原産業(株)(栃木)、4週目は(株)満寿屋商店(北海道)が出店する。

渡辺会長は「日本で初となる国産麦のアンテナショップ。かつて、日本ではラーメンやパンに向く麦は作れないと言われていたが、そういうことはなくなった。日本の麦は需要が高くなり、逆ミスマッチと呼ばれる需要に供給が追いつかない場面を迎えている。需要が高まる傾向は続くとみられる。そのため、作る人、加工する人、販売する人をつなぎ、フードチェーンを作っていく必要がある」と挨拶した。

来賓の上月良祐農林水産大臣政務官は「これまでの農業は良い産品を作ることに一生懸命だったが、これからはどう加工し、どう売るかが大事。日本の農業の発展のきっかけになれば」と挨拶した。「むぎくらべ」は出店費用無料、配送費無料で、箸、スプーン、食器などのカラトリー類も用意されたアンテナショップ。国産麦(小麦、大麦、はだか麦)を50%以上使用したパン・麺・菓子などのPRに利用できる。出店期間中の売上も出店者が得られる(5%は光熱費として事務局が徴収)。

「実質的な費用は出展期間中のスタッフの人件費・滞在費が大半になる。それを賄える売上があれば、費用ゼロでPRする機会になる」(事務局)。出店期間は1週間~2週間。出店後3か月空ければ再度の出店も可能だ。

店舗所在地は東京都千代田区神田小川町2-1-1檜ビル1F。営業時間は10~18時(土日祝日休み)。搬入は日曜日の10時~17時まで、搬出は土曜日の10時~15時に行う。106.08平方mの店舗にイートインスペース23席を用意した。基本設備は、△麺類=スープレンジ、ガスうどん釜、ガスウォーマーテーブル、ガス麺釜、冷水チラーシンク、卓上フライヤー、温蔵ショーケース、製氷機、冷蔵庫、浄水器など、△パン菓子類=リターダー(冷凍生地解凍庫)、ドゥフリーザー(生地保管庫)、ミニデッキオーブン、架台ホイロ、コンベクションノーブン、架台ドゥコンディショナー、冷蔵庫、浄水器など。

問合せは運営を行う(株)カタボー( 電話03-6427-0116)まで。

〈コラム・交叉点〉初の試み
〇・・・「内麦のイベントでこんなに賑やかなのは初めて見ました」。

〇・・・「そうだろう。私も初めてだ」。

〇・・・記者と渡辺好明会長(全国米麦改良協会)のやりとりである。むぎくらべのオープニングイベントにはタレントの杉浦太陽さん、スザンヌさんが出席。子供を持つ親の視点から、トークショーを行った。

〇・・・同会は近年、消費者も参加できる国産麦のイベントを開催しているが、むぎくらべのように事業者が1~2週間にわたって消費者と直接やりとりできる企画は初の試み。「多数の方に注目していただき、利用していただきたい。生産サイドの振興は多数あるが、今後はこうした取り組みも重要だ」(渡辺会長)

〈米麦日報 2018年7月4日付より〉

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