ホクレン・木徳神糧が「中国向け北海道米輸出記念式典」、齋藤健農相ら列席

ホクレンは9月29日、対中コメ輸出の指定燻蒸倉庫となった石狩湾新港倉庫事業協同組合(北海道・小樽市)で「中国向け北海道米輸出記念式典」を開催した。去る5月にホクレンのパールライス工場(石狩市)が指定精米工場認定、小樽倉庫事業協同組合低温倉庫と石狩湾新港倉庫事業協同組合低温倉庫(ともに小樽市)が指定燻蒸倉庫認定を受けたことに伴うもの。木徳神糧(株)(平山惇社長)の協力の下で、第1便として29年産ゆめぴりか12tと、製造委託を受けた道産米24tの計36tを中国へ輸出した。またセレモニーでは、出荷主代表のホクレン・内田和幸会長から販売者代表の木徳神糧・平山社長へ、また平山社長から依頼主代表の中国駐日大使館・郭燕主席公使へ、中国へ輸出する北海道産ゆめぴりかの受け渡しが行われた。
輸出米の積み込み

冒頭、ホクレンの内田会長は「本日、第1便が出発するが、これもひとえに関係各位のご尽力の賜物と厚く御礼申し上げる。我々ホクレンは安定した農業経営、所得向上に取り組む一方、中国を始めとする海外市場への戦略的な取り組みも極めて重要と考えている。現在、東南アジアを主体に国別の消費動向、食文化、嗜好調査とともに販売を推進しているが、中国市場での米消費量は1.5億t以上が見込めるなど、美味しい北海道米を中国の皆さんに広く召し上がっていただきたいと考えている」と挨拶した。

また、木徳神糧(株)の平山惇社長は「ちょうど2年前の9月、ホクレンと共同でゆめぴりかを中国に輸出した。ただ、これは全農パールライス(株)神奈川工場で精米したものだった。同11月には高橋はるみ知事とホクレン前会長の佐藤氏にご参加いただき、上海のスーパーでゆめぴりかの販売記念セレモニーを開催した。その後、第2回第3回と出荷してきたが、今回はホクレンが認定を受けてから初めての輸出となる。誠に喜ばしい限りだ。今年11月には、中国の習近平国家主席も出席される中国国際輸入博覧会が上海で開催されることになっている。弊社もCOFCO(中糧集団有限公司)のブースをお借りして、ゆめぴりかだけではなく他の道産米も出展させていただく予定。北海道の30年産作況指数は90、不良と発表されたが、これからの天候次第でもう少し上がると考えている。大きなマーケットである中国市場へ出るわけだが、これは将来に亘る非常に重要なビジネスだ。弊社は30年産輸出用・新規需要米を、ホクレンとの間で300t契約しているが、地震や台風の被害があった直後なので、とにかく『がんばれ北海道!』のキャッチフレーズの下、中国市場でも、日本市場でも道産米の販売に知恵を絞り、努力してまいる所存だ」と祝辞を述べた。

齋藤健農相は「今日、いよいよ中国へ向けて、直接この北海道から北海道産米が輸出される記念すべき日を迎えることになった。日本は人口が減っていく中で、農業を更に発展させていかないといけない。そのためには海外に目を向けることが今まで以上に必要になってくる。何故ならば、海外は人口がどんどん増え、日本食はブームで、日本食レストランはどんどん増えている。そして海外からお客さんがどんどん日本に来ている。昨年は2,869万人も訪れた。中国からは736万人が訪れた。4分の1が中国からのお客さんだ。考えようによってはこれら外国からのお客さんは、ご自分で飛行機代を払い、ホテル代を払って日本に試食に来てくれていると考えることも可能だろう。そして国に帰ったときには『また食べたいな』ということになると、また国の中で日本のものを取り扱う事業をやる方も出てくる。2020年に海外から4,000万人訪れる時にはそうした展開が待っている。その意味では今日の輸出は記念すべき日で、10年後20年後に今日の日が大きく花開いていくことを私は確信している」と述べた。

〈米麦日報 2018年10月2日付より〉