大麦食品推進協議会(池上幸江会長=大妻女子大名誉教授)は11月23日、都内で第16回大麦シンポジウムを開催。大麦食品に関連する食品事業者や研究者、大麦の生産支援を行う行政関係者等多数が参加した。

講演は(株)メタジェンの福田真嗣社長(慶応大先端生命科学研究所特任准教授) が「食を介した腸内環境の制御による新たな健康維持基盤技術の創出」、岡山県美作市保健福祉部健康づくり推進課地域保健係の谷口啓子課長補佐心得兼係長が「岡山県美作市のもち麦普及の実際」。
大麦食品推進協議会・池上幸江会長

大麦食品推進協議会・池上幸江会長

冒頭、池上会長は、「当協議会も来年で15年というところまで来た。大麦の良さを一般の方に知っていただくため、当初は約20企業でスタートしたが、今では50企業に迫る会として発展してきた。私自身は地味な研究者。厚労省の研究所で健康や栄養、食生活に関わる研究をしていて、そこで大麦を取り上げる機会があった。1970年代後半から日本でも食物繊維が注目され始めた。世界では70年代前半から研究が広がっており、ヨーロッパ、アメリカと広がり、日本にも波が来た。その中、大麦に着目することになる。穀物は精白すると食物繊維が数分の一、十分の一になるものもある。しかし、大麦は精白しても食物繊維量が変わらない。これは面白いと思った。この会は大麦を知って欲しい企業が会員。ただ、企業が会のトップに就くのは難しい。お金儲けに縁のない私が会長を務めることになった。何度か『もう辞めさせて』と言ったが(笑)。気づけば15年を迎えようとしている」と挨拶。
 
また、「大麦に注目が集まり、テレビ、新聞、雑誌に取り上げられるようになった。健康への関心は高まっている。大麦の消費量も極めて高まってきた。私どもは会の発足当時、サプリメントや健康食品のようなブームは作りたくないと考えた。そのためには科学的知見をもってしっかり普及していくことが必要。この間大麦の健康効果として、〈1〉血中コレステロール値の高い方の数値を下げることができる、〈2〉米や麦に比べて食後血糖値が上がりにくい低GI食品、〈3〉大腸の機能を改善して便量を増やしてくれる。この3つはかなり科学的なエビデンスがしっかりしている。日本ではできないが、EUやアメリカでは大麦の健康効果を食品に表示することもできる。そして、〈4〉メタボの解消。これは世界でもしっかりと認められるところまで研究は進んでいないが、大麦にはいろいろな健康効果がある。〈5〉はセカンドミール効果。これも多くの研究がある。〈6〉は今日の講演でも取り上げる腸内細菌への働き。腸内細菌を通して免疫機能を強くすることは十分に可能性があると思っている。その話をいただき、新たな挑戦をさせていただければ。また、美作市の大麦普及への取り組みも高く評価している。今までは健康効果のある商品を作り、広げてきた。美作市では市民の健康につなげている。こういう方向性もあり得るということを勉強していきたい」とした。
 
〈米麦日報 2018年11月27日付より〉