メニュー用調味料(合わせ調味料)市場がさらに成長している。これまで主力だった中華用に加え、醤油ベースの和風用やトマト等をベースにした洋風用、さらには電子レンジ調理用、肉関連メニュー専用品、パンやパスタ関係などの提案が活発化している。特に一昨年、味の素が「Cook Doきょうの大皿」を発売したことが市場を刺激し、和風・洋風系が大きく伸びた。今年度の市場規模は5%程度増加し640億円前後まで達すると見られる。

メニュー用調味料は、麻婆豆腐など中華料理用が先鞭をつけ、その後、韓国風、さらに現在では和風、洋風をラインアップ、調理方法も炒め、煮込みという主流以外にレンジ専用、さらに食パンのフレンチトーストなどにも広がっている。主素材(肉、魚介類、豆腐、野菜など)を加えてフライパン等で簡単に目的の惣菜を調理する製品(副素材入りや専用調味粉入りもある)をメニュー用調味料とすれば、その市場規模は620億円を超えるまで成長した。

この分野のはっきりした統計はないが、メーカー筋の話を総合すると、12年度和風が大きく伸び590億円、13年度も各社の活発な商品提案で620億円と600億円を超え、今年度も時代の要請にこたえた商品群であること、各社が秋に有力な新製品に投入したことからさらなる成長が見込まれる。本紙推定だが、今年度は640億円レベルまで達しそうだ。

もともと有職主婦層の簡便調理というニーズをつかんだこと、対象メニューに特化した醤やスパイスを配合しおいしく失敗なくできること、さらに野菜摂取意向を満たすメニューが多いことなどから、増加傾向にあった。

こうした流れの中、最大手の味の素が11年秋に和風、洋風の大皿メニュー(取り皿にとって喫食)という時代の傾向を掴んだ新しい切り口で「Cook Doきょうの大皿」を関東限定で発売、翌年2月には全国発売に移行し市場を刺激した。その後、大手の新規参入を含め、他社も積極的な商品展開を行い、合わせて生鮮連動などの販促活動を強化したことで、市場の成長が加速したようだ。

最大手の味の素は「きょうの大皿」のヒットに加え、主力シリーズ「Cook Do」について、それまで普及が遅れていた関西など西日本で吉本興業とのコラボなどで実績を積み上げた。

和風に先鞭をつけたのがキッコーマン食品の「うちのごはん」。発売10年以上のシリーズで、着実に成長してきたが、「きょうの大皿」のヒットが他社の参入を促し市場の拡大につながるなどマイナスにはならず、「うちのごはん」も大きく拡大した。

キッコーマン食品は13年春に埼玉新工場が本格稼働、味の素も来年秋に川崎工場の生産能力を1・4倍に増強するなど、大手2社の増産体制が市場の広がりを物語っている。

最近のメニュー用調味料の特徴の一つとして、和洋中に限らず経済的な素材を対象にした商品が好調だ。野菜では低価格、安定供給の代表、もやしを対象とした商品が好調であり、新商品も目立つ。一個買うと持て余し気味なキャベツ、白菜などもターゲットだ。

肉系では鶏肉、豚肉が好調。永谷園の「お肉マジック」は豚バラ肉でかつ煮風などを提案しているが、安価な材料でより高級感のある料理を可能にしている。鶏肉も各社から提案されている。また豆腐は丸美屋食品の「麻婆豆腐」がメニュー用調味料の第1号で王道ともいえるが、肉豆腐など様々なメニューが提案されている。

一方、内容量などにも工夫が凝らされている。近年の少人数世帯化を背景に味の素の「Cook Do」の主力品5品の2人前用が非常に好調。ハウス食品の「三ツ星食感」など既存品でも2~3人目が目立っている。Mizkanは大人向けの「スパイシー中華」を2~3人前で新発売した。

調理法もさらに簡便化が進んでいる。炒める、煮込むが一般的だが、主材料を入れて電子レンジ調理する「My Deli」(キッコーマン食品)、「追いがつおキッチン」(Mizkan)などもある。

また日本ハムの「中華名菜」や伊藤ハムの「おかず便り」は主材料の肉加工品をセットし野菜など副菜を加えるだけのタイプもある。この他、Mizkanが食酢、カゴメがトマト、ハウスがカレーなど得意分野のメニューを積極的に投入するなど、活発な商品展開が進んでいる。またキユーピーはフレンチトーストとスープパスタ、永谷園は塩分と油分を減少した「やさしい中華」を発売した。