【ねり香辛料・スパイス特集】内食・家飲み志向で商品充実、「簡便かつ本格」ニーズに対応

ねり香辛料・スパイス市場は、根強い低価格志向の一方で高価格帯商品の動きが活発化している。今季の特徴としては、引き続き簡便ニーズを伴う内食志向、家飲み志向をうけ、シーズニング商品が各社から発売され一層充実すること。簡便かつ本格志向の料理を手軽に作りたいというニーズに対応し、シーズニング市場は近年伸長を続けている。洋風スパイスや本格スパイスへの導線としても期待される。ねり香辛料やラー油では、品質面もさることながら容器の使い勝手が年々向上し、消費の間口を広げている。

わさびを中心としたねり香辛料市場の直近1年間の動きは、前年を2・4%上回って推移し、市場規模は約245億円と推計される。一部高価格帯商品と安価な徳用品の動きが良く、全体を押し上げた格好だ。分母の大きなわさびは汎用性の高さから用途を広げ、生姜やニンニクなども手ごろな価格と日持ちするなど使い勝手の良さから底堅い推移となっている。ハウス食品では、今期のねり香辛料市場は高価格帯と大容量が継続して伸長するとみており、したがって金額・数量ともに前年からさらに2%ほど増加する見通しだ。

スパイス全体でみた市場規模は、2014年度は前年からほぼ横ばいも、シーズニングを含む洋風スパイスは伸長した。シーズニングに限ると2桁増となっている。洋風スパイス(シーズニング含む)126億円、粉体スパイス261億円、スパイス全体で約549億円。うちシーズニングスパイスは35億円市場に到達したと推計される。このまま伸びていけば、5年後には50億円をこえるかもしれない。