◎個食タイプは冷うどん狙う

今期のつゆ市場は、飽和市場化している主力の濃縮つゆについて、価値訴求による価格の維持・上昇が最も重要な課題だ。鮮度保持容器入り、減塩タイプなどが期待される。また、各社が参戦している個食・少人数用のストレートつゆは、冷たいうどんに焦点を絞った商品が多いのが今期の特徴だ。ヒット商品の出現により、市場の拡大が待たれる。

表に当社の契約しているPOsデータ(つゆ・たれ類)から、過去5年の上位100品目の分野別品目数と販売金額シェアの推移を示した。最も目立つのが鍋つゆ(個食対応)の増加だが、それに対して濃縮つゆの減少も対照的だ。上位100品目の売上高は全体の6割を超える程度で残りの4割には濃縮つゆが多い可能性はあるが、それでも16年の濃縮つゆのシェアは50・4%で、13年に比べ5ポイント以上低下しており、縮小は明らか。

濃縮つゆが減少傾向に陥った最大の理由は、常備調味料の地位を得たことで、全体の需要が頭打ちから微減に転じた。また、量的なことに加え、価格の軟化も大きな課題だ。濃縮つゆはメニュー提案が重要なことから、どうしても大手に偏る傾向がある。しかも醤油、だし、食酢など調味料メーカーが参入し、断トツのメーカーがいない混戦状態になっていることで、競争の激化となり、販売価格の低下につながった。醤油に代わる特売商品になっていることも価格低下の要因だ。

こうしたことからトップシェアグループの一つ、キッコーマン食品が昨季、主力の「本つゆ」をリニューアル、『濃いだし本つゆ』を発売し、濃縮度を4倍に高め汎用性を強化、出汁などの品質を向上、さらに容器も使い勝手を高めるという価値訴求を展開した。16年のPOsデータでは連続性はないものの、1?で20円以上の上昇となった。定番価格は30円以上上昇したケースもあるようだ。

実際、当社POsデータから上位20品の16年の価格を15年と比べると、新製品3品目を除く17品目中、13品が低下、上昇はわずか4品にとどまった。しかも、上昇は下位に多く、トップ15で上昇したのはわずか1品だった。

競争が激しいといってもメーカーとしては乱売は避けたいところ。キッコーマンのチャレンジ以外にもMizkan、ヤマサ醤油、ヤマキなど上位各社は独自の切り口によるメニュー提案を強化し、販売価格維持の方向で臨んでいる。また、鮮度保持容器入りや減塩・低塩タイプなどでの価値訴求を行うメーカーもみられる。

またここ2~3年、大手、中堅メーカーから提案が盛んな個食・少人数用のストレートつゆは味種だけでなく、容器や具材などオリジナリティーのある製品の開発によって市場の活性化を目指す。今期は冷凍品や流水麺など冷たいうどんが夏の主婦の昼食に登場することが多いことから、うどん専用品やうどんメニューの提案が目立つ。

市場全体は2ケタ成長と言われるが、まだ市場規模は小さい。16年の当社POsデータでは上位100品には見当たらず200品に広げてようやく3品が入る程度。ヒット商品の出現により、カテゴリーを確立したいところだ。そうなればつゆ類全体の単価アップにも貢献できる。