〈シグナル〉米冷蔵牛肉手当て 絞り気味か

米国産チルドビーフの11月生産分(12月入荷)についての成約が10月末に決着した。足元の需要自体は、ここにきて切り落としが動きスソ物を中心に締まってきているが、決して好調ではなく、その一方でオファーはプレート系、チャックアイとも高止まりし、強気で買える状況ではないようだ。

さらに豪州産は、現地の降雨により一部のパッカーでは工場稼働率を下げざるを得ないなどグラスでは先の供給不安が懸念されるものの、グレインは現地フィードロットがキャパいっぱいといわれ、チルド・グレインの供給は増加が見込まれる。

米国産チルドはショートプレート(バラ系)、チャックアイ(カタ系)の輸入量が8~9月に消費が低迷する中で予想を上回り、10月上旬に入りやっと余剰感が解消された経緯がある。これらを踏まえれば、米国産11月生産分のチルドの手当ては抑え目にならざるを得ないと見られる。

今期の輸入牛肉の商売は、4~7月までは好調だったが、米国産などのフローズンで8月1日からのSG発動(関税が38.5%から50%に上昇)、牛タンをはじめとした内臓の停滞、8~9月の需要を超すチルドの輸入による投げ物の発生と大きく様変わりした。

10月中旬以降、輸入チルドビーフは米国産・豪州産とも締まり国内仲間相場もコストなりに戻してきた。その中での米国産チルドの手当てをどうするか、動向が注目される。

〈食品産業新聞2017年11月7日付より〉