「冷食は21世紀の食品」「冷食はおいしさつなぐ未来の食品」といったキャッチコピーが多く使われるようになった。それをより現実のものとする機会が東京五輪・パラリンピック。

20年の東京五輪への業界の期待を、冷食協の伊藤滋会長が「世界中の選手に出す食事で、冷凍食品の美味しさを消費者にアピールするチャンス」と述べている。

その期待の一方で、五輪の選手村で開催国の食材を使った料理が食べられないという心配が広がっている。野菜が集まらない、調理人がいない、食材を運ぶ人がいないといった不安が現実味を帯びてきた。中でも、今回は1964年の東京五輪時とは違い、グローバルスタンダードが適用され、しっかりトレースされた原材料しか使えない。国は「やります」と言っているから、遅れている部分はあっても「やる」しかない。例えば、魚であれば小さい子供を労働力として使った魚は食材として使えないとか、資源管理していない魚はダメとか、肉も動物にストレスを与える飼育方法を用いたものはアウト。野菜は生産者が栽培から出荷までに守るべきルールの「GAP」認証が必要となる。このままでは国内の食材の多くが使えず、輸入品にさらに頼らざるを得ない。

しかし、こうした厳しさの中でも食の提供を全うするのが食関連業界の使命。大変なことの後にはきっと良いことがある。五輪特需後に始まる21世紀本番の食、21世紀の冷凍食品への期待は大きい。

〈食品産業新聞2017年12月14日付より〉