〈シグナル〉変わりゆくモノゴト

梅雨の季節になってきた。クールビズで、このところほとんどネクタイをしていない。ウォームビズでもしていないので、ネクタイ業者には申し訳なく思う。通勤で使うシャツはニット地のノーアイロン、パンツも自分で洗濯できる涼しい製品だ。靴は靴底がクッションの利いたもので、結構な距離を歩いても苦にならない。ファッションの熟達者からみれば、まことに恥ずかしい姿なのだろうが、人間、一度、楽をしてしまうと元に戻ることは難しい。

スニーカー通勤が常識になる時代もそこまで来ている。見た目で失礼にならない程度のデザインのスニーカーが売れるはずで、今度は革靴業者に謝らねばならないだろう。

電車内ですぐスマホを取り出してニュースやコラムを漫然と眺めてしまうのは、悪い癖だとは思うが、最近の事象は、未来を占うことが多くて、考えさせられる。史上初の米朝会談の行方は、言うまでもなく日本の未来に大きく関わってくるし、加計・森友問題は、この国の政治・行政のあり方を根本的に問うている。日大アメフト問題は、一部管理者の資質を超えて、スポーツ教育全体の問題をはらんでおり、これも見過ごすことはできない。

「#MeToo(私も)」の拡がりは、まさにMeToo革命と呼ぶべきもので、一緒にするのは叱られるかもしれないが、LGBT革命ともあいまって、ホモ・サピエンスという種が新しい進化を切り開いている感がある。

〈食品産業新聞 2018年6月4日付より〉