社内で食品業界の動向を話していて、噛み合わない時がある。それは清涼飲料メーカーの1ブランドの売上が、他業界の上場企業の売上高を上回るケースがあるからだ。他業界担当の記者から「1ケタか2ケタ違うのではないか」と言われると、改めて清涼飲料業界の規模の大きさを感じる。

全国清涼飲料連合会によれば、2017年の清涼飲料業界の生産者販売金額は、前年比1.8%増の3兆9478億円と2年連続で過去最高となった。酒類や菓子類などを含む全17業種の加工食品業界の中でトップである。また、昨年の清涼飲料水の一人あたりの年間消費量は、同1.9%増の約171リットルで、日本人が毎日500mlPETを約1本飲んでいる計算という。

その中身は時代とともに変化しており、それが飲料業界の強さの原動力となっている。黎明期は炭酸や果実飲料がメインだったが、1969年に缶コーヒーが誕生。

80年代になると生活者の健康志向に合わせて無糖茶飲料が登場し、ミネラルウォーターを含め無糖飲料が拡大していった。現在では、コーヒーにおいて缶からPETへ主戦場が移りつつあり、炭酸水や透明系飲料で新提案が活発化している。

飲料業界は、新需要創造への挑戦と、それを実現するための製造面での新技術や自販機などの新サービスの開発で成長を遂げてきた。最大規模であり、成長を続けるこの業界を、マスメディアはもっと注目してもいいはずだ。

〈食品産業新聞 2018年6月25日付より〉