残暑厳しき折、今年も中華まんの季節がやってきた。コンビニエンスストアのレジ周りで販売する、カウンターフードの話だ。

コンビニ店舗のスチーマーは例年、7月末から翌年4月末まで通年稼働に近い状況にある。今年はローソンが先陣を切って7月31日に、18年度版「中華まん」の販売を開始した。次いでミニストップが8月10日に、セブン‐イレブンが同月14日に、ファミリーマートが21日に、それぞれ販売を開始。記録的猛暑とは無関係に、販売開始時期は各社、前年とほぼ変わらない結果となった。

ただし冬が寒くなるかどうかという気候要因以外に、今年の中華まん市場は無風なのかと言えば、そうでもない。ファミマの新商品発表会がこれまでのPR手法に一石を投じている。

同社は20日、三重県津市の井村屋グループ本社で、中華まんの新商品発表会を開いた。“ファミマの中華まんは井村屋製”と前面に出したかたちだ。業界内ではセブンはN社、ローソンはF社、ファミマはI社――とおよそのすみ分けは知られているが、これまで製造委託会社を前面に出すことはなかった。サプライヤーにとっても一般論として、特定受託先との関係を強調することはリスクと言える。

他社と協力して革新を生み出すオープンイノベーションの考え方が広がっている。情報をオープンにすることが、消費者に新しい価値を伝えることにつながるか注目したい。

〈食品産業新聞 2018年8月23日付より〉