〈シグナル〉相次ぐ災害に思う

大阪北部地震、西日本豪雨、4日に上陸し近畿地方中心に被害をもたらした台風21号、6日未明に発生した北海道地震――。6月から9月にかけて、甚大な災害に相次いで見舞われた。被災された方々にお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。

被災していない人の中にも、連日の災害報道に、他者(被災した人)の苦しみに共感するあまり自分の心が疲れ、心身に不調をきたす「共感疲労」に苦しむ人がいるという。他者の力になるためにも、まずは自分を守らなければならない。

台風21号を振り返ると、上陸前日の3日に、4日の臨時休業や、イベント休止の発表が相次いだ。私が在籍する大阪支局も自宅待機を決めた。その判断材料となったのが、JR西日本が3日に発表した4日午前10時ごろからの京阪神エリアの全線運休だ。私鉄も遅れて発表した。強烈な威力の暴風雨は現実のものとなり、従業員の安全を守るために下した各社の判断は正しかったと言える。

台風の影響では、停電によるものが最も多かった。様々な場面で電子化の恩恵を多々受けているが、依存度を高めることへのリスクを認識させられた。個人としても、友人や元上司の自宅も停電となり、これほど停電を身近に感じたことはない。それでいて、自分自身の備えは不十分だ。名著「冒険図鑑―野外で生活するために」で、生きる知恵を身につけたい。

〈食品産業新聞 2018年9月13日付より〉