当社周辺にあった個人経営の飲食店が、ここのところ相次いで閉店している。いずれも長年営業し、地域に親しまれていた店。閉店の理由を想像すると、単に不況だからということだけではなさそうだ。

土地建物を所有し家賃がなく、家族経営の店は常連が付いていれば売り上げが大きくなくてもやっていける。ではなぜやめるのか。人手不足は関係ないが、後継者がいないという問題はある。地域で再開発の話があり、高齢なのでこのまま続けるよりも、店を畳んで土地を売却した方がいいという判断もあるだろう。

自分の行動を鑑みて、もうひとつの理由が見つかった。本来はライバルである外食チェーンが手を結んで話題になった「共通定期券」が典型例。300円の定期券を購入すると約1か月半の間、「吉野家」で80円引き、「はなまるうどん」で天ぷら1品無料、「ガスト」で100円引き。期間中両社の店に通う頻度が高まった人は多いはず。

大手チェーンを中心に次回使えるクーポンを配布するところは多い。アプリによるクーポンも増え、こういう投資は大手でないとできない。有効期限は1カ月ぐらいで、気付かぬうちに各チェーンに毎月通うようになり、個人経営の店へいく回数が激減している。こういうボディブローが効き、老舗が閉店に追い込まれる。

外食は本来、味、価格、接客が重要。しかし、それ以外のところで淘汰が進む。

〈食品産業新聞 2018年10月1日付より〉