総会を開催、土屋会長「値上げはチャンス」取組に意欲-関西味噌生販協議会

(大阪発)関西味噌生販協議会は17 日、大阪市内のホテルで第51 回定時総会を開催し、全議案を承認した。

土屋福蔵会長(ジャポニックス会長、写真)はあいさつで、「一番気にしているのは運送業者の運賃の値上げ問題で、消費税の2%アップも近づいて来る。3%の値上げの時には、きっちり3%値上げしてもらった記憶がない。また、2%上がることになるが、末端の圧力が今まで以上に大きくなっている。これで戦っていけるのかという問題がある。うまくやっているのはビール業界で、売上が減っているのに値上げを行った。収益は上がると思う。ほかの業界を見て、ある面ではチャンスと捉え、どのように取り組んでいくかを考えていく」と述べた。

業界動向については、「一昨年は出荷量が少し伸びたが、今年は2%弱落ちている。これが普通の状態だと思う。みそ業界の出荷量は40 万tで、そのうちみそ汁を30 万tとすると、㎏ 300 円で約900 億円、40 万tだと1,200 億円となる。インスタントみそは400~500 億円持っている。また、だしや具などの付帯を考えると、3,000~4,000億円の販売価値がある。まだまだ捨てたものではない。海外から帰るとみそ汁が食べたいというアンケート結果も出ているが、私自身は即席で飲んでもらってもありがたいと思うようになった。そちらの方でも増やしたい」と述べた。

議案の中の「市場の状況についての検討」で出た意見としては、「業務用は年間1~2%ずつ増えており、今後も1~2%ずつ増えていくのではないか。過去5年間の業界の新製品を振り返ると、中身がゴロっと変わった新製品がない。大手メーカーにより有名ブランドとのコラボ商品が出てきたが、中堅中小メーカーには高額のブランド使用料など資金面でできない。みそ汁以外の和風調味料を開発するなど、各メーカーで工夫しないと自然淘汰が急激に進むだろう」や、「食品表示法が変わり、包材を一新しないといけない。人件費の高騰をはじめ、人が集まらないこと、運賃の値上げもあるなど、さまざまな経営課題がある中、企業内努力で収益性を確保することに知恵を出す必要がある。中小企業は単独で行動が取れないので、ビール業界や日本酒業界などのように、各メーカーの足並みがそろって欲しい」といった意見が出た。

〈大豆油糧日報2017年10月20日付より〉