上場製油メーカーの18年度・第1四半期決算は表のとおりで、概ね利益は改善し、増益基調にある。

前年同期は、急激な円安や物流費など諸コストの上昇、菜種搾油の採算悪化の一方で、油価改定は十分浸透せず大幅減益を強いられた。それから一年経ち、菜種相場は依然底堅いが、為替は17年初頭の$1=115円がらみから反発、さらに油価改定の進捗などにより、搾油採算が一定の改善をみたことに加え、各社が取り組んでいる付加価値品の拡販効果が、利益改善に寄与したものとみられる。ごま専業のかどや製油は、家庭用ごま油中心に引き続き販売は好調であり、前年同期との単純比較では、2ケタの増収増益を確保している。

前年度は各社とも新中期経営計画のスタート年として、植物油の健康性への評価の高まりも追い風に、家庭用油市場ではオリーブ油など生食用途の提案や、容量・容器も含めた健康志向油の品ぞろえ強化、業務用油市場では顧客の課題解決に寄与するソリューション型提案営業の推進、それと連動する形での機能性の高い油脂・食材の販売強化、さらには海外事業展開の拡大などの施策を掲げて、一定の成果を上げたものの、そこの収益を搾油採算の悪化が浸食する形となり、今年度に課題を引き継ぐ格好となった。

そして今年度は各社とも前年度来の施策の継続的発展に取り組んでいるが、搾油採算の改善をみたことにより、施策の成果が収益に直接現れる形になっている。各社が注力する付加価値商品群の売上・利益は年々着実に上昇しており、原料・為替相場に左右されにくい収益構造への転換が進んでいる。

〈家庭用油市場でさらなる成果を期待、オリーブ油活性化・新ジャンルの萌芽も〉
第2四半期以降は、今夏の記録的猛暑や突発的集中豪雨、相次ぐ台風上陸といった天候要因が、食品消費に与える影響は気がかりだが、少なくとも原料・為替相場の値位置に大きな変動は無く、汎用油の価格水準をしっかり維持した上で、今年度の施策方針を堅持し、増益基調を維持したい。

中でも家庭用油市場では、オリーブ油は生食用途の提案やピュアタイプの品ぞろえ強化など、各社の取り組みにより活性化しつつあるほか、調味料としての用途が確立した、ごま油も引き続き好調、さらに鮮度ボトル商品や、業務用油の技術を活用した風味油といった新ジャンルの萌芽も含めて、これまでの施策が結実しつつあり、さらなる成果を期待したい。業務用油市場でも、需要自体は引き続き堅調であり、人手不足などの社会的ニーズも生かした取り組みに努めたい。

〈大豆油糧日報 2018年8月24日付より〉