日本植物油協会(日油協)は20日、八馬史尚会長(J-オイルミルズ社長)とJ-オイルミルズ幹部、齊藤昭専務理事ら協会事務局が出席し、油脂業界紙誌記者との懇親会を東京・京橋の「北大路 八重洲茶寮」で開いた。

八馬会長は開会のあいさつで、始めに相次ぐ自然災害に言及し、「ゲリラ豪雨が各地で発生したほか、台風21号が近畿地方中心に大きな被害を与えた。北海道では胆振東部地震が発生、大きな人的被害に加え、広域停電が発生する事態となった。被災された皆様には謹んでお見舞いを申し上げると共に、一日も早い復興を祈念しております」と述べた。

続けて、「こうした世界的な気候変動は、植物油業界にも大きな影響が及ぶもので、短期、あるいは中長期のリスク要因として想定する必要があると改めて感じている。一方で米中貿易戦争では、ますます対立が激化している。貿易戦争が長期化し、中国による米国農産物への報復関税の影響が強まれば、中西部の農業者の不満も高まると予想されるが、米国大豆に関係する動向は、植物油業界にも及ぶ所であり、さらには日米FTA交渉への影響も想定され、当協会としては引き続き、米中貿易戦争の行方など世界の関連動向を注視すると共に、業界として、会員企業として、環境変化対応能力を上げていくことが重要な課題だと認識している」との見解を示した。

〈物流費上昇問題は今後さらに深刻化、業界全体で検討すべき重要課題〉
また、八馬会長は国内植物油市場については「これまでの業界・加盟企業の尽力もあって、健康価値が認識されるなど、植物油への理解は大きく変わり、末端消費も概ね堅調に推移している。一方で今年度上期の大豆の搾油採算は比較的良好な状態で推移したが、菜種相場の高止まりとミール安により、菜種の搾油採算は厳しく、今後も厳しさと不透明さを増してくると予想される。さらには業務用市場ではインバウンドによる活性化がみられる一方で、人手不足や人件費・物流費の上昇、原材料高騰といった課題に直面しているとうかがっている。食品メーカーとしては、技術に裏打ちされた付加価値の高い商品の開発・提供など、顧客に協力して課題の解決に取り組んでいく必要性がある。特に物流費は、今後さらに問題が深刻化するとみられ、加盟各社の努力と合わせて、業界全体で検討すべき重要課題と考えている」との認識を示した。

最後には「油脂の価格変動はこれまで、原料・ミール相場が基点だったが、人件費・物流費など中長期のコスト構造を織り込んで判断していく必要がある。また、植物油産業は日本のフードシステムの基幹産業であり、政府の進める生産性向上に呼応し、装置産業としての性格を踏まえつつも、原料・為替相場に左右されにくい、付加価値型産業への転換を図ることは、業界としての至上課題であり、できることから速やかに進めていくべきと考えている」と述べた。

〈大豆油糧日報 2018年9月25日付より〉