「第8回ニッポン豆腐屋サミット」「第4回全国豆腐品評会」が9月29日・30日、北海道札幌市で開催された。講演会では、北海道出身のメンバー5人で結成する、演劇ユニット「TEAM NACS」(チームナックス)のリーダーでタレントの森崎博之さんが、「生きることはたべること~北海道の食と農業を学ぶ~」をテーマに話した。

【関連記事】「第4回全国豆腐品評会」開催、沖縄・まごとうふ「濃厚おぼろ豆腐」に農水大臣賞〈受賞一覧〉

森崎さんは、農業をテーマにしたTV番組「あぐり王国北海道NEXT」(北海道放送、毎週土曜午後5時~)に出演しており、寿司職人を米の産地に招き、米作りを実際に見てもらうなど、加工者に原料の生産の場を見てもらう試みを行ってきた。また、これまでに数回、大豆の収穫や加工の取材も実施したという。森崎さんは、「全国の豆腐事業者にも、北海道の大豆畑を見て欲しい」と話した。

また、9月6日に発生した、北海道胆振東部地震が酪農家に与えた影響についても言及し、「酪農家は毎日、搾乳する。1日でも搾乳できないと、牛が病気になり死んでしまう可能性もある。近年は機械でほとんど作業を行っているため、地震による停電で機械が動かせず、片っ端から手作業で搾乳するなどの対策がとられた。しかし、生乳を冷却するクーラーも動かず、生乳を廃棄しなければいけない切なさもあったという」とした。

その上で、「牛乳だけではなく、肉、魚、野菜も命。『残さない・焦がさない』といったことを、伝えている」とした。

〈北海道大豆生産の苦労話を紹介、「事業者は消費者・生産者のパイプ役に」〉
続いて、森崎さんはこれまでの取材を通して、北海道における大豆の生産について紹介した。「北海道では5月中旬に播種し、6月の中旬頃に、もう一度畑の土を盛り上げ、空気を含ませる作業を行う。それにより、根が元気になる。『十勝晴れ』と言われるように、北海道には梅雨の期間がないため、夏場に一気に育つ。10月頃に落葉し、10月~11月は畑で乾燥させている」とした。

また、加工現場における苦労についても紹介し、「機械で選別を行った後、人の手でも選別する。近所のお母さん達が、50分間作業し、10分休憩するというサイクルを8時間繰り返す。実際に体験したことがあるが、とても大変な作業で、その日の夢には大豆がでてくるほどだった」とした。

保管についても、北海道ならではの方法が行われているとし、「小豆の例だが、ある保管場所は、ボーリング場を改装し、両端に氷のコンテナを配置することで、チルド室のように保管できる仕組みにしている。また、夏頃は、氷が溶け始め、冷気を放出し、クリーンでナチュラルな冷却エネルギーとなっている。大豆でも同様の保管がされている」と紹介した。

日本の食料自給率についても触れ、「17年の自給率は、カロリーベースで38%と、4割に満たない。大豆の国内自給率は、主要穀物の中でも低い」とし、「全国民が、国産大豆100%の豆腐を、1か月当たりもう2丁食べれば、1ポイントアップする計算だ」と述べた。

最後に、「消費者は今後、生産者にも目を向けていくべき。事業者には、そのパイプ役になってほしい」と呼びかけた。

〈大豆油糧日報 2018年10月4日付より〉