――上期の油脂事業を振り返ると。

第2四半期決算における油脂食品事業の売上高は前期比5.1%増の396億9,100万円、営業利益は113.0%増の21億5,900万円での着地となった。

前年同期から搾油環境が改善したことが、利益改善要因の一つとして挙げられる。アルゼンチン大豆の減産により、シカゴ大豆ミール相場が底堅く推移したことで、大豆油の採算が改善した。

さらに昨年は汎用油の価格改定にずっと取り組んできたわけだが、その改定価格の維持に努めながら販売数量を維持できたことと、機能性油脂の販売に取り組んだことも寄与した。

――具体的な取り組みとしては。

当社では従来から、多種多量に取り扱っている穀物・油糧種子のスケールメリットを強みとして、業務用油やミックス粉、糖質など、さまざまな食材を組み合わせたシナジー販売を中心とした施策を続けてきた。さらには、お客様と当社が互いに売上アップにつながる取り組みを進めている。

例えば、流通企業が中食総菜の製造をセントラルキッチンに切り替える中で、米飯関連では釜離れや作業性の改善、つや出しに効果的な「炊飯油R」や、麺調理での鉄板への焦げ付きを抑え、歩留り向上につながる離形油「Sグリルクリーン」など、用途別の機能性油の商品開発と営業を強化することで、成果につながっている。

また、業務用天ぷら粉でトップシェアを持つ当社としては、お客様の競合対策に加えて、共働きの拡大により、中食のテイクアウト市場も拡大する中で、天ぷらなど揚げ物の経時変化に対応できる機能性商品が求められている。

そのことを踏まえて当社では業務用機能性商品として、フライ調理による食感向上を特長とするフライオイル「揚げてサクッとオイル(16.5kg 缶)」、天ぷら粉「珀金(はくきん)天ぷら粉(10kg 袋)」、バッターミックス「カツ揚げ職人(1kg×10)」をこのほど発売し、積極的にお客様に紹介している。

「揚げてサクッとオイル」は、「カラッと揚がる」「衣がサクサクする」といったフライ製品へのサクミ感への要求の高まりに応えたもので、サクミ・経時耐性・油っぽくないといった機能を付与したほか、天ぷら衣の花散りも強くなるのが特長。

「珀金天ぷら粉」は当社ロングセラーの「黄金天ぷら粉」「金天ぷら粉」「銀天ぷら粉」に続く、業務用天ぷら粉のシリーズ商品として発売したもので、天ぷらの衣の色目・食感・見た目といった消費者ニーズの細分化に応えられる。また、水に溶けやすいので、作業性も優れている。

「カツ揚げ職人」は、打ち粉無しでも具材と衣をしっかりと結着させ、一体化することができるほか、薄くソフトで歯切れの良い衣に仕上がる。また、手作業でのかくはんとパン粉付けに適した生地性状も特長だ。

RD&Eセンターを活用することで、油と天ぷら粉やバッターミックスとの相性などを、スピーディーに検証できることも、当社の強み。これらの新商品もユーザーの反応は良好であり、手応えを感じている。

さらには業務用から揚げ粉「パリッジュ~」シリーズで、ホタテの風味が効いた「旨潮から揚げ粉」と、しょうゆとオニオン風味が効いた「オニ旨から揚げ粉」を昨年発売し、5品の品ぞろえとなったが、いずれも好評となっている。

〈高付加価値品の大豆たん白を強化、業務用天ぷら粉の営業を積極的に〉
――大豆たん白が好調と聞きます。


畜肉相場の高止まりという外的要因もあったが、当社は高機能性の大豆たん白製品を投入したことで、これを契機に販売が伸びている。さらに低糖質ブームなどを背景に、大豆たん白や大豆ミートが話題になる中で、需要の裾野が広がっていると感じている。

当社は大豆たん白原料用の搾油施設を持っており、これを活用しながら、高付加価値の商品の販売と用途開発に取り組んでいきたい。

――下期の方針はいかがですか。

シカゴ大豆相場は引き続き不透明感が強く、今後相場が反発するなど、搾油コスト環境が変化した場合に備えて、今回の新商品も含めて、付加価値の高い業務用食材の拡販に努めていきたい。

また、基盤商品の業務用天ぷら粉についても、競争激化の中で、積極的な営業活動を行っていきたい。

〈大豆油糧日報 2018年12月3日付より〉