不二製油グループ本社は都内でこのほど開いた決算説明会で、19年度施策方針を説明し、18年度にグループ化した米ブラマーを中心とする業務用チョコレートのグローバル展開の強化に加え、各事業で収益力を高めることにより、連結営業利益240億円の達成を図るとした。

説明会では始めに、清水洋史社長が現中期計画(17~20年度)の進捗について、これまでコア事業の強化、大豆事業の構造改革などに取り組んできたとした上で、「(中計)2年目の18年度は、今年度に向けた準備の年として、米ブラマーの買収に至った。しかし、さらに厳しい時代が来ると想定し、次の中期計画はさらなる飛躍が必要と考えており、具体的には2050年から振り返り、ESG(環境・社会・ガバナンス)担当役員の設置、PBSF(植物性由来食品)事業の設置を行ってきた。さらに得意分野の乳代替品、カカオ代替品、大豆たん白をしっかり取り組むことで、新しい事業を開拓していきたい」との考えを示した。

〈チョコレート用油脂、大豆たん白の拡販などにより増益を図る〉
続いて、松本智樹CFO(最高財務責任者)が19年度業績や事業別概況の見通しを説明した。始めに、今年度から事業セグメントを変更したことについて、「米ブラマーの買収により製菓・製パン素材を、大きく売上高が増加する業務用チョコレートと、調製品ビジネスの乳化・発酵素材に分割した。さらに実態を反映させ、油脂を植物性油脂、大豆を大豆加工素材に名称を変更した。なお大豆加工素材は工場の統廃合など効率化を追求してきた一方で、低収益の乳化・発酵素材を強化していく必要があると考えている」と述べた。

19年度業績については、米ブラマーの新規連結により、売上高は初めて4,000億円を超え、営業利益は240億円を見込み、全ての事業での増益を計画している。米ブラマー買収経費や国内・米国の自然災害の影響など前年度の減益要因の除去に加え、グローバルでの業務用チョコレート、チョコレート用油脂の拡販、収益の高い大豆たん白食品の拡販などが増益に寄与するとの見通しを示した。

さらに事業別では、植物性油脂事業は、マレーシア・ユニフジの本格稼働による認証パーム油の拡販、乳化・発酵素材事業は、中国では新工場稼働によるクリーム・マーガリンのシェア拡大、大豆加工素地事業は、大豆たん白や多糖類の販売量の増加、中国での高付加価値品へのシフト、欧米を中心としたPBSF戦略の推進などを挙げた。

設備投資は220億円を計画、米ニューオリンズに建設中の低・ノントランス酸対応の油脂工場、米ブラマー関連投資が中心とし、20年度からの収益貢献を見込んでいる。最後に、酒井幹夫上席執行役員兼米ブラマー会長が、チョコレートのグローバル戦略について説明した。始めに課題として、先物による原料調達リスク抑制、工場単位で管理していた在庫の圧縮に加え、低稼働にある中国・上海工場と、高い稼働状態にある張家港工場との協働、サステナブルなカカオ・パーム油を生かした多国籍企業への販売強化などによる収益力向上を図る考えを示した。

さらに今後の施策として、同社が持つ油脂、発酵、大豆たん白技術の共有などによるR&Dの強化、アジアなどでのコンパウンド需要の取り込み、将来的な乳製品不足を想定したPBSF代替の開発などを挙げた。

〈大豆油糧日報 2019年5月15日付〉